夜の底


真夜中に

眠れないわたし

精神的瀕死

転がる錠剤

家族は寝てる

もうそのまま目覚めなくていいよ

真っ暗な台所

わたしは人生の絶望の味を知る

缶詰を開ける

黄桃はどろりと溶け口内で液状化する

もぐもぐしなくて良い

全自動桃消滅機

それがわたし

もう一切、頑張らなくて良い

そういった権利を保持していた

頑張るを刺し殺した

肺呼吸は溜息と化し

青春はピカチュウと同じくらい遠い場所にいる

誰もいない部屋で声に出す

「期待はずれでもいいですか?」

その独り言に首を傾げる

なにそれ?

こんな時うわんうわん泣ければ良いのだけれど

そういう類いの苦しみではないのだ


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