『NYOTAIMORI』のマドレーヌ


「マドレーヌ、ミコ様が貴女の特別菓子にいたく喜ばれていたわ、いったいどんなお菓子なの?」

「それは……×――□▲……」


「えっ!テレーサがお菓子の土台!考えたわね……マグロさんはマグロさんなりにね……見直したわ」

「実は……ミコ様にガラナ・チョコレートを舐めていただいたものですから……」

 突然、忍は笑い出しました。


「ミコ様に!強制剤!……それは大変な目に会ったでしょう」

「それはものすごくて……二日ほど腰は痛いし、あそこはひりひりするのに……それなのにあの日の事を思うと……トイレに駆け込まなくては……」


「それは自業自得よね……体力抜群、変態度も図抜けているミコ様に強壮剤なんて……まぁ……うらやましくもありますが……」


 それにしてもあのミコ様が……よほど激しかったようね……変態特別菓子の代償ですか……

 忍は含み笑いをしています。


「なるほど……律儀な事ですね……代価ですか……ミコ様らしい……」

 忍のこの呟きが、全てを物語っているようです。


「マドレーヌ……貴女、大手柄よ……」

 ?


「まぁ、この話はここまで、しかし、いいことを教えてあげましょう……」

「貴女、側女でしたよね、側女って知っている?肉体年齢はね、三十七歳にはならないのよ……詳しくはいえないけどね……」

「これは内緒よ……貴女だけに教えるのだから」


 勿論、二日後にはテラのメイドたちは、末端の末女に至るまで、この話は知っていることに……

「まったく……女って、ここだけの話って好きね……それにしても、マドレーヌって、困ったチャンね」


 そうはいっても、この一件で、マドレーヌは愛人などの間には知られるようになりました。

 『NYOTAIMORI』のマドレーヌってね。


 噂を聞きつけ一番に来た方が、

「私が今度のミコ様の夜の番なの!」

 これ愛人の一人、アテネさんがいったのです……


 お察しの通り、ぶきっちょなアテネさんとしては、自分も『NYOTAIMORI』でミコ様と……激しく、む・ふ・ふ……


 もくろみ通りでしたが、アテネさんもミコさんもグロッキー……なにせ体力勝負なら、この細身の女、決してミコさんに引けはとらないのです。

 とうとう、ミコさんはその日一日、お休みとなってしまいました。


 おかげで、『NYOTAIMORI』はこのアテネさんで終わり、あまりにエロすぎるので、封印されたのです。

 本当の理由は、ミコさんがハッスルしすぎるので、お仕事に支障が出たからです。


 なんせミコさんはお可哀想に、ロングホリデーしか休みは無いのです。

 お休みになると、それは大変なことになります。

 アテネさんもマドレーヌも、始末書などを書かされました。


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