美味しいお菓子の代償


 朝食を食べながら、ミコが裸の二人を眺めています。

「なんでしょう?」

「二人とも、いい身体ね……あぁムラムラする、二人ともそこに四つん這いになりなさい!」

 二人が言われたようにし、期待していると、期待通りのことを……


「ミコ様……もっと抱いてください……私たちは滅多に抱かれないのですから……綺麗な時は短いのです……だから……抱いてください……」

 マドレーヌとテレーサは、口々に云いました。


 マドレーヌとテレーサは食卓の横でのびていますが、ミコは再びシャワーを浴びています。

「綺麗な時は短い……そうね……考えなくては……美味しいお菓子の代償に……いけない!会議に遅れるわ!」

 珍しく遅刻し、散々にマレーネとサリーにいびられたのは確かです。


 ミコの行動は素早い、良い機会とマレーネとサリーに何やら相談をしたようです。

 マレーネは渋ったが、サリーは賛成しました。

 ハウスキーパーのサリーが賛成した以上、マレーネもしぶしぶ従いました。

 それはその日の夕刻には完了したのです。

 何かって?側女のチョーカーの調整です。


 ミコに抱かれる女たちのなかで、一番下の側女だけ不老化が設定されていないのです。

 そこでミコが完全な不老化ではありませんが、事実上の不老化を命じたのです。


 翌日このことについて、いわゆる女官長クラスに通達されました。


 ハウスキーパーの通達です。

 

…………

   ハウスキーパー通達、第XX号


 本日よりミコ様の女のうち、側女についてチョーカーを調整した。

 その結果、側女には加齢に対して遅延化が適用される。


 側女の遅延化は次の計算による。


 三十五歳から遅延化が始まる。

 一年目は1/2歳加齢する。

 二年目は前年の加齢にさらに1/4加齢する。

 三年目は前年の加齢にさらに1/8加齢する。


 この計算によると三十六年後の実年齢が七十一歳の時に、肉体年齢は三十六歳となり、三十七歳には六万年でもならない。

 つまりまず三十七歳にはならない、ゆえに事実上の不老化となる。


 各ハレム責任者である女官長はそれとなく


 側女は三十七歳には絶対にならない……


 そのような噂を流すよう。

  以上

…………


 上杉忍にもこの通達が届きました。

 忍には、別に一通の手紙が一緒だった……

 それにはマドレーヌとテレーサの特別菓子の代償として、側女への贈り物と記載されていました。

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