第86話~究極の超次元ゲーム登場!!~
「剣くん~! トレーニングの続きしないのー?」
ゲームジムの入り口で立ち往生していた剣に痺れを切らして、みのりも剣の元へ寄ってきた。
「あ、みのりもこっち来てみ! 今面白いのやってるぞ!!」
「ん……? え、何このゲーム!?」
みのりも動画でのゲームを見て驚愕するなか……
「ふぇぇ、やっと予習終わったよ!」
学校で変な点でも取ったのか、予習帰りの
「「あ、丁度良いとこに! 今すんごいゲームやってる!!」」
剣とみのり、同時にハモりながらレミに呼び掛けた。
「……はい??」
いつの間にかシャッフル・オールスターズが全員集合して、P-tubeのライブ動画に集中した。
――ライブ動画の内容は、まだ誰もやっていない新ゲームの『クローズド
『クローズドβテスト』とは、不具合(バグ)やゲームに関する意見を集めることを目的に、プレイヤーの中から抽選でテストプレイを行うことが出来る先行体験のようなものである。
そのテストに、立海遊戯戦団の立海銃司が選ばれたということなのだ。
そのゲームの内容は、半径50メートルのヴァーチャルフィールドで挑むアクションゲームか?
いやちょっと待った。銃司の右腕に円盤形のブレスレットが。そしてそこにカードの束、カードデッキが装填されていた。カードゲームでしょうか?
動画のモニターには両者『HP《ヒットポイント》1000』と『EG《エネルギーゲージ》:0』の表示が。そして実況アナウンサーの声も。
『未知なる異次元バトルが、いよいよこのプレイヤーによってそのベールを脱ぎます!
関東代表プレイヤー立海銃司、そして関西代表プレイヤー渡辺彰!!』
アナウンスと共に登場したのは関西代表として選ばれた渡辺彰(17)。
実はG-1グランプリ関西予選でも出場したのだが、好成績で納めながらもテロでいざこざが起きてスポットライトを当てられなかったのは秘密だ。
各プレイヤー、ブレスレットのカードデッキを装填させる。次の瞬間、半透明だったフィールドにLEDのイルミネーションが色とりどりに照らし始めた!
両者、準備は……出来たか!?
『AMAZING《アメイジング》 BATTLE《バトル》、READY《レディー》?』
―――START《スタート》 UP《アップ》!!!!
スタートの瞬間、咄嗟に銃司がデッキからカードを1枚取り出し、それをブレスの後方に設置された挿入口に装填、ボタンを押すことでカードがスキャンニングされる。
『カスタム・ツールカード、【マグナムシューター】!』
ブレスの音声からエコーに響き渡るカードの召喚音。その刹那、銃司の右手には銃。カードの召喚によって出現した武器を手に、彼は銃口を向けて叫ぶ。
「
対戦相手の渡辺目掛け銃を放つ! 渡辺のHPが990、980とヒットする度に減っていった。
ここまで見ると、各自の持っているカードを駆使しながらフィールド狭しと戦うアクションゲームに見えるだろう。だがゲームの変化はそれだけではない。
『EG《エネルギーゲージ》』が時間と共にみるみるとゲージを貯めていく。5秒間で1のゲージが出来るスピードだ。
――そして今度は渡辺のエネルギーゲージが2に貯まった時、手元のカードをブレスレットにスキャンした!!
『ユニットカード、【
ブレスレットから発動音声が鳴り響く、そしてフィールドからソリッドビジョンで立体化した槍の騎士が渡辺の前に現れた!!
「行けッ!
渡辺の指示で一直線に騎士は銃司目掛けて突撃!!
「雑魚が……」
銃司は咄嗟に避けて、2枚目のカードで応戦する。
『アクションカード、【ビッグキャノン】!!』
発動と同時に銃司の目先に大型バズーカが現れ、銃司はそれを肩に掲げながら発射!!
「吹き飛べッッ!!!!」
発射した砲弾は渡辺のフィールドに大きな噴煙を立てて爆破した。渡辺のHPは大きく削れ、槍騎士もダメージを負って消滅した。
「……クソッ!!」
渡辺は所持していた鞭を出して銃司目掛けて攻撃をする。リーチが大きいため、相手が離れてもダメージは与えられる。
しかし銃司はそれを軽々と交わして次に備えているようだ。エネルギーゲージは徐々に増えていく!
「遊びはこれくらいにしておくか」
銃司のエネルギーゲージは6になった瞬間、間合いを広げてカードスキャン!!
『ユニットカード、【
銃司のフィールドに前から10マス分の兵隊が出現!そして渡辺目掛け……
「撃てェェェェェェ!!!!!」
無数の銃が渡辺目掛け放たれた、その時!!
『アクションカード、【
渡辺の周囲に半透明なバリアが覆われた!銃弾をことごとく跳ね返していく、渡辺のダメージはゼロだ! 渡辺も続けて追撃に向かう!!
『アクションカード、【
カード発動の瞬間、渡辺は相手フィールドを飛び越えて銃司に攻撃しようとした……
――――だが!!!!
『【カウンター・レスポンス】発動』
フィールドから音声が流れると、渡辺の動きが固まったように止まった!!
「……凡人の分際が、俺の陣地に土足で入るなッッ!!!!!」
銃司のエネルギーゲージを1消費し発動!!
『アクションカード、【
発動後、銃司の背後から強烈な強風が渡辺に直撃した!!
「く……うわああああああ!!!!」
敵陣に踏み込もうとした渡辺は強風にあおられ自分のフィールドまで吹き飛ばされてしまった。これで先制のチャンスは振り出しに戻る。
まだゲームは終わっていないが、このバトルの様子を動画で観ていた剣達は、言葉では言い出せないほどの感動を与えられていた。
「……槍ちゃん、すっごいゲームが出てきちゃったなぁ!!!」
「何て言うゲームなの? 私もやってみたーい!!」
興奮覚めやまぬ剣とみのりに対し、槍一郎は答えた。
「このゲームの名は【AMAZING《アメイジング》】!!
アクションとカード、戦略の要素を融合させた『究極の超次元バトルゲーム』さ!!!」
――【AMAZING】、この言葉を聞いた剣達は更に心踊った。だが、アメイジングの凄いポイントは……まだまだこんなものじゃなかった!!
白熱のゲームはまだまだ続く。
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