第84話~ゲーム・ウォーリアー 生還~
「皆~~!!!」
みのりが遠くから手を振った先には槍一郎、レミ、豪樹が剣達の帰りを待っていた。
「――剣」
槍一郎がさりげなく剣に話す。傷も癒えて穏やかな表情をしている。
それを見た剣は急に眼が潤み、声がかすれてきた。みのりも泣きそうになっていた。
「みんな……皆、元気だよな?無事なんだよな゛……!?」
「うん!元気一杯!!」
「ワイも元気やで!!」
レミと豪樹が明るく応えた。
「剣、僕も元気だ。皆剣が居たから無事でいられたんだ!
お前はシャッフル・オールスターズの誇り、最高の親友だ!!」
槍一郎の言葉についに溜めていた剣の涙が溢れて止まらなくなった。
「よ゛がっだよ゛ぉぉぉぉぉぉ…………!!!!」
その後、解錠されたトランスホールから救助要請をかけたWGCの警備団体により、ブラックヘロンのプレイヤーは捕らえられ、人質にされたプレイヤーも外崎社長も救出された。
そしてみのりと共に逃走していた
彼女も処分の対象となったが本人の強い反省の意に応え3ヶ月の謹慎処分で済んだという。
これによりブラックヘロンは壊滅。戦い終えたデュエルフィールドを背にしてゲームワールドに日がまた登る。
「剣君帰ろう!皆、一緒に――!!」
◇◇◇
――数日後、現実世界のゲームジム『ビッグウェーブ』にて。
「やっぱり、今年のG-1グランプリは中止だってさ!!」
剣はプレイギアのニュース記事を見ながら呟いた。
「そりゃそうだ、あんな騒ぎがあったんだやる方がおかしいよ」と槍一郎。
「でもさ、あんなに頑張ったんだから参加賞くらいあげて欲しいよねッ!!」とレミ。
「まぁどっちにしても退屈はせぇへんかったけどな!ハハハハハハ!!」と笑いながら豪樹。
そして……
「――ねぇ皆!何か小包が届いてるよ!!」
と玄関から呼び掛けたのはみのりだ。
『WGC総本部宛』と書かれた小包を開けてみると、入っていたのはトロフィーと1通の手紙が。
そのトロフィーは小型ながらも丸く透き通ったクリスタルで造られ輝いていた。
下の石碑にはシャッフル・オールスターズの5名の名前が。
そして1通の手紙はWGCの外崎社長からのメッセージだった。
『ゲームワールドを救った5名のゲーム戦士へ。プレイヤー達の未来の為に戦い、守り抜いた成績を称えこのトロフィーを捧げます。
今後もそれぞれの絆を大切にし、素敵なゲームライフを!!―WGC代表取締役社長 外崎博行―』
「あ……私のも名前が入ってる!」
後半戦で戦えなかったみのりにもトロフィーに書かれてた事に感動していた。
「ちゃんと活躍は見てたんだ!」
「それにしても綺麗ねぇ~このトロフィー!」
「僕達が一生懸命戦った証だな」
「これはえぇもん貰ったわ!!見映えの良いところに保管しとこかな~」
トロフィーの反対側に映った5人の笑顔が鮮明に輝いて見えた。
G-1グランプリは無かったことにされたが、シャッフル・オールスターズが魂をかけて戦った形跡はしっかりとトロフィーに残された。
超次元ゲーム時代に生きるプレイヤー達の平和は守られた。
だがこれは剣達の戦いの終わりではない。何故ならこの激闘はまだ始まりに過ぎないからだ。
桐山剣率いるシャッフル・オールスターズに待ち受けるライバル達、立海銃司だけではなくまだ立ちはだかる強敵や誰も知らないゲームがまだゲームワールドに眠っている!
プレイヤー達の魂を賭けた極限のゲームストーリー、『極限遊戯戦記』!!
今、ゲーム・ウォーリアーに新たな戦いの幕が開かれる――!!!!!
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