第55話~全力集中!Back to Back!!~
ゲームに入る前に、ここでレミのプレイヤーステータスを確認しよう。
☆畠田レミ/プレイヤーレベル:18
[プレイヤーステータス]
・アクション:161・シューティング:137
・ロールプレイ:146・タクティクス:170
・スピード:172・ブレイン:227
・ハート:174・ミュージック:210
・ラック:194
[プレイヤースキル]
・【W・ネイリング・テトリス】・【パズルシュミレーターA】
・【ブロックサーチ】
パズルプレイヤーらしく『ブレイン』がダントツトップに高く、意外にも『ミュージック』が次点で高いステータスだ。
さらにプレイヤースキルではパズル関連のサポート技を習得しており、【ブロックサーチ】は落ちてくる予定のパズルを5個先まで確認することが出来るのだ。
確認を終えたところで、本題のゲームに入ろう!!
◇◇◇
『さぁサバイバー四捨五入を終えまして、実力者が絞り取られた第2回戦に移ります!
こちらは残り25名の時点でクリアとなります。1/4のアドバンテージ、制するのは誰だ!!?』
『GO!!!!』
先程の第1回戦での緊張はほぐれたのか、うって代わって各プレイヤーがスムーズにテトリミノを重ねていく。
おっとここで挨拶代わりの『テトリス』だ!!
(……?何か妙に狙われてるわね。偶然かしら)
レミは序盤から異変に気付いた。初手から色んなプレイヤーから狙われて邪魔テトリミノがハイスピードで競り上がっていく!!
「ちょっ……!?これはマズイわ!!」
レミは必死に猛攻に抗っている!
ウイルスプログラムは一段でもテトリミノを消せば相殺も可能だ、だがそれでも追い付かないか!?
邪魔テトリミノの盛り上げに加えて、誰かがプログラムを仕掛けた!
落とすブロックをT型テトリミノのみに縛るプログラム≪
これではテトリスが撃てない!!
皆はもうご察しの事だろう。
コントロールパネルに細工をしたことによって、レミのいるブロックにブラックヘロンのプレイヤーが集中攻撃を仕掛けているのだ!!
しかし本人はそれを知らない!何故ならランダムで狙われる為に犯人を特定出来ないからだ!!!
「冗談じゃないわよ!あたしばっかり付け狙っちゃって!―――お返しよ!!」
『おっと、レミ選手ここでT字テトリミノの呪縛が解かれた!!
邪魔テトリミノの盛り上げに一直線の穴が四段できている中で……出て参りました!直線テトリミノ!!』
そこに―――挿入!テトリス!!!
ウイルスプログラム発動!!『
この効果はプレイヤーが受けたダメージを攻撃してきたプレイヤーに倍返しで返すカウンターアイテムだ!!
(何!?うわぁ!!!)
レミに攻撃してきたブラックヘロンのプレイヤーが一気に窮地に落としていった!!!
『ゲームアウト!!』
『いった!!天からの玉砕だ!!!
畠田レミのいるブロックが一気にゲームアウト、そして丁度レミを含む25名残した状態でゲームセットだ!!!!』
(はぁ……危なかった。―――でも妙に変だったわさっきのゲーム)
『畠田レミ、第3回戦進出ですがその顔は少し曇りがあるようです。先程の猛攻も影響しているのか…?』
新垣アナも心配する様子である。ここで2度目のブレイクタイムへ。
第2回戦のシャッフルオールスターズの戦況。
剣は1回戦に引き続き、持ち前の根性と切り札に助けられ第3回戦進出。
槍一郎も問題なく進出。
しかし、第2回戦のボーダーラインの厳しさから遂にみのりと豪樹がリタイア。
これにより生き残りはレミ、槍一郎、剣の3人に。
「……何でか知らんが、ワイの出番少ない気がせぇへんか??」
いや気のせい気のせい。豪樹の活躍はもうちょっと先になるで。
◇◇◇
第3回戦スタートまでには5分間のインターバルがある。
そこで控え室でオールスターズが集まった。
「はぁ疲れた!やっぱり皆強かったわ!」
第2回戦で脱落したみのりがぐてーっとベンチに倒れこんだ。
そこへ激戦中にレミの異変に気付いた剣が疑問を持ちかけた。
「――そう言えばレミさ、何か苦戦してたみたいだったけど、そんなにさっきのゲーム厳しかったか?」
「いや……そうじゃないの。
一人一人とならまだ大丈夫だけど、何かこう……大勢に狙われているような感覚だったの」
レミの答えに剣も槍一郎も違和感を感じた。ランダムで攻撃されるこのゲームに、故意に狙われるような要素は皆無なのだから。
「ちょっと様子を見た方が良いな。みのりちゃん、控え室でレミのブロックの状況がどうなってるか見て報告して。豪樹さんは管理室の様子を」
「ん、分かった」
「了解や」
テトリスでどんなプレイヤーがブロックで争っているのかは控え室でのみ確認する事が出来る。
そこで先にリタイアしたみのりは観戦側の様子を、豪樹は管理の異常が無いか確認することになった。
そして生き残った3人も―――
「……なぁレミ、まさかだぜ。まさかレミを除いた99人のプレイヤーが一気に襲いかかる…なんて状況になっても、勝てる自信はあるか?」
剣は突拍子もなく会場に向かうレミに話した。
「『勝てる!』……って言わなきゃ、殿堂入りプレイヤーの名が廃るでしょ?」
だがレミの返しは若干弱気だった。テトリスの実力は確かだが殿堂入りであることがプレッシャーになってるのも確かだ。
「おい剣!あんまりレミにプレッシャー掛けるな」槍一郎が注意を促す。
「でもレミはテトリスのNo.1目指すんだろ?だったらこんな危機的状況も越えれるはずだ。
――ブラックボックスならな」
剣の言葉にレミはハッとした。そしてそのまま各自会場に転送された。
レミよ、見えない99の刺客を越えて行け―――!!!!
◇◇◇
『全ブロック、約五万人のプレイヤーがあっという間に6000人以上に絞られていきました!!
第3回戦、さらに強力なプレイヤー達がウイルスプログラム飛び交い激しさを増すなかで、次に進めるのは一体どのプレイヤーなのでしょうか!?
――さぁ、各ブロック次の生き残りは1/10!!10人になるまで足掻け、生き残れ!!!』
シャッフルオールスターズ、畠田レミ含め3名が生き残った第3回戦。
だがその栄光を阻むブラックヘロンはレミに矛先を向ける。
レミのいるブロックには既に50名、
『―――GO!!』
第3回戦、先程の戦いから比べて非常に速いペースでテトリミノが積まれていく!!
開始から10秒も経たないうちにウイルスプログラムを出すものや、反撃を構えるプレイヤーもいるが……何だ!?この光景は!!!
「な……何よこれ―――!!??」
控え室から対戦の模様を観察していたみのりは驚愕する。
レミのいるTブロックではレミ目掛けて過半数のプレイヤーが曲線を描いて全方向から集中攻撃だ!!
必死でその攻撃を抑えようとするレミ、だがそれを止めるためには、強力なウイルスプログラムと、臨機応変なタクティクスが肝心となる!!
(――やっぱりこれは何かある!あのクロサギめ~、よくもあたしなんかを付け狙っちゃって!!)
レミはまだまだ焦っているようには思えない、寧ろそれを知っていたかのような素振りで対応に移した!!
(……あたしにはわかる!アイツら大したプレイも無いし、センスを数で補ってる。
だったら一人ずつ倒して耐えるまでよ!!)
あの猛攻で直ぐ様学習したのか、攻めては守り、守っては攻めてのフォーメーションが抜群に取れているぞ!!
◇◇◇
一方、会場離れて管理室付近にいるのは豪樹。ブラックヘロンらしき人物が居ないか確認をしにきた。
「……何やこれ?」
豪樹は立ち入り禁止の個室付近の道端にUSBのキャップを見つけた。
「何でこんな所に――?」
豪樹はこの時怪しいと睨んだ。ゲームワールドでのゲーム管理はUSBは使わない、即ち何者かがUSBとパソコンを使って遠方操作したと予測したのだ。
そして豪樹がキャップを見つめていた一瞬、微かな人の気配を感じた――!!
「――!?誰や!!」
豪樹に気付かれた怪しい奴は反応を示すなり一目散に逃げていった。豪樹もそれに追っていく。
◇◇◇
打って代わって会場では白熱なプレイが変わらず催していた。
『先程からテトリス殿堂入りプレイヤー、畠田レミに執着しておりましたプレイヤー達も徐々に数を減らされており、レミの戦況独占状態に入っております!何という集中力だ!!』
「へへ~んだ!!何人束ねてもあたしの敵じゃないわよ!!それっ!!!」
レミは一気にケリを付けるが如く、決めのテトリス!!
そして心なしか強烈なパワーを秘めていた。
『―――出て参りました!!5段増上のプログラム『
そして更に割り増しするテクニック、【
新垣の実況が飛び交うと共にお馴染みのG-バイブルの登場だ!!
★【Back to Back―バック・トゥ・バック―】★
テトリス消しやT-Spinによるライン揃えを連続して行うとBack to Backとなり、通常よりも高い得点、強力な攻撃が得られる。
この技はテトリスかT-Spin以外のライン揃えを行うまで継続する。
―G-Bible『テトリス・これを覚えれば天下統一』より抜粋―
天を貫くが如く、一気に敵のブロックを押し上げた!!
Tブロックがフィニッシュ!!畠田レミ、未知の敵の奇襲を乗り越えて準決勝進出!!
(――絶対に負けられない!剣君達と築いた『殿堂入りプレイヤー』の誇りに懸けて!!)
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