第54話~99の見えない刺客~
『―――光弾飛び交うエスケープダンス・2nd《セカンド》STAGE《ステージ》を終えて、宇宙の常闇に達成と、後悔の叫びが木霊しております!
そしてそれを背にしてプレイヤーは新しいゲームへと旅たとうとしております!!
――さぁ続く3rd《サード》STAGE《ステージ》は、悶絶のパズルサバイバーバトルだ!!!』
魂の実況者・新垣治郎の掛け声で再び会場が真っ暗となり、その暗闇からパソコンのプログラムを発信させるような電子音が飛び交った。
そこから3Dのホログラフィー映像から直線、T字、L字と色とりどりのブロックが綺麗に段を作っていく。
そして最後の直線ブロックで、四段重なったブロックが綺麗に揃い消えていった。
そう!次のゲームは―――!!
『頭脳から閃く勝利への設計図!降り注ぐウイルスプログラムを乗り越えて、100の頂点を目指せ!!【テトリス・サバイバー】!!!』
「やったァ!!待ってました~!!!」
シャッフル・オールスターズ、
☆☆☆
PLAY GAME No.13
★G-1グランプリ予選 3rd《サード》 STAGE《ステージ》★
【TETRIS SURVIVOR ―テトリス・サバイバー―】
・ジャンル:パズルゲーム
・プレイヤーレベル:30
ルール
大人気パズルゲーム『テトリス』の進化版大人数対抗型ゲーム。
100人のプレイヤーと一斉にテトリスを行い、最後まで生き残ったプレイヤーが勝者となる。
現代では99人一斉にテトリスを行う『テトリス99』が流行っていたが、この超次元ゲーム時代では更にグレードアップした要素として、【ウイルスプログラム】が登場した。
【ウイルスプログラム】とはブロック『テトリミノ』を消すことによって発動し、相手への妨害や自分のメリットになるプログラムを出すシステムの事である。
これらはシングル~テトリスまで消した段が多いほど強力なプログラムが発動しやすくなる。
またこのテトリスでは99人の相手を指定して攻撃するシステムは撤廃され、常にランダムで攻撃が送られる。
つまり誰からどのような攻撃が飛んでくるかは誰にも分からない。
大会ルールとして全ブロックで行う。
その中からシャッフルして100人ずつ決めてスタートする。
試合回数は5回。最後の決勝は全ブロックの生き残りを一斉に集めた100人で行う。
獲得ポイントは
・3回戦進出のプレイヤー全員に10ポイント
・準決勝進出で20ポイント
・決勝進出で30ポイント
・決勝100~50位のプレイヤーに40ポイント
・決勝49~11位で45ポイント
・決勝10~2位で55ポイント
・No.1プレイヤーに100ポイント
と好成績のランクから順々に加算される。
☆☆☆
3rdSTAGEはパズルゲーム。
先程のレミのようなテトリス殿堂入りプレイヤーにとって絶好のチャンスゲームである。
「よーし!No.1はあたしが頂いたわ!!」
プレイ前から既にレミは勝ちを確信していた。それには剣と槍一郎も黙っちゃいられない。
「おいおい、やる前から慢心か?レミ」
「そうだぞ。それにブラックヘロンの奴らも今度のゲームで何を仕出かすか……」
「大丈夫よ!そーゆー時のためにちゃんと切り札も持ってるんだから!まっかせなさ~い!!」
(大丈夫かなレミちゃん……)
……いや大丈夫じゃ無さそうだぞみのり。
君のすぐ近くで遠目に剣達を見ている怪しい輩が……!!
◇◇◇
「―――テトリス殿堂入りプレイヤー、畠田レミを確認しました」
プレイギア片手に連絡をしている黒い帽子の男、どうやらブラックヘロンのスパイの様だ。
『よし、ならば畠田レミをこのゲームで徹底的に叩き潰せ』
連絡相手はブラックヘロンを指揮するボスだ。その声は40代の中年のような野太い声をしていた。
「襲撃のタイミングは?」
『畠田の対戦ルームが発表されたら直ぐに教えろ。2回戦でのタイミングでメンバー総員総攻撃を掛ける』
「了解」
そういうと黒帽の男はプレイギアで一旦ボスの連絡を切った。
「笑ってるのも今のうちだプレイヤー共め、ゲームワールド諸とも滅ぼしてくれる――!!」
◇◇◇
――その頃、会場では丁度ゲームが始まろうとしていた。
プレイヤーは『デュエルフィールド』会場の各ブロックに設置されている100席並んだゲームテーブルでそれぞれ着席をする。
各ブロックの着席するメンバーは変化しないが、実際に対戦する100人は全ブロックから選ばれるため、一緒とは限らない。
ただ、一部を除いて……
「―――ボス、畠田レミのゲームテーブルが分かりました。Tブロック、I-5の席です」
先程の黒帽男だ。またしてもブラックヘロンのボスに連絡をしている。
『よしすぐそのゲームサーバーにハッキングをかけるよう工作員に伝える。ご苦労だった』
ボスの野太い声がプレイギアを通じて伝わった。
レミにターゲットが絞られた……!!
◇◇◇
『テトリス界を生き抜くためのエリート教室!その1時限目が今各ブロックにて始まろうとしております!!
さぁ七色のテトリミノが奏でる3Dオデッセイ、開幕ですッッ!!!!』
全プレイヤーのモニターに99のパネルとテトリス画面が展開された!!
電子音のアナウンスがスタートシグナルだ――!!!
『READY?』
3・2・1……
『GO!!!!!』
『さぁ始まった!!静寂からの回線LAN!
開始早々積み重ねる者いれば、後先考えずちょこちょこ一段ずつ消す者もいる!人生いろいろ、男もいろいろだ!!島倉千◯子だ!!!』
……何のこっちゃ。新垣実況は熱いが、時折変な事を挟むのが特徴的。
俗に言う『新垣節』という実況で有名なのだ。
開始早々、テトリスサバイバー名物【ウイルスプログラム】の発動をしているプレイヤーも現れた。
その内容は毎度お馴染み邪魔テトリミノの盛り上げ、さらにHOLD(テトリミノの保留)しているテトリミノを消すという常識外の展開。
『これらのウイルスプログラムは何と40種類のプログラムが用意されております!
この展開がこの3rdSTAGEの命運をどう分けていくのでありましょうか!?』
先ほどHOLDのブロックを消したウイルスプログラムは≪
保留したブロックを盗んで発動したプレイヤーに送る窃盗プログラムだ。
他にも想像を覆すプログラムはまだまだ残されている。その詳細はゲームの進行と共に見ていこう。
『フィニッシュ―――!!!』
第1回戦終了のブザーが鳴った。
第1回戦では100人中半分、つまり50人が残った時点での終了となる。
しかし、次の第2回戦ではその1/4の25人しか生き残ることが出来ない。
正にテトリスという名の下剋上、実力社会の縮図なのか?
第1回戦を終えて、現在の状況はシャッフル・オールスターズは全員生き残った。
レミは申し分なく余裕の突破、槍一郎も心配はない。
一方パズルに苦手意識を持つ剣、そして豪樹は特訓の甲斐あって冷静に突破。
またみのりも時折危ない場面もあったが、ウイルスプログラムに助けられギリギリでクリアした。
◇◇◇
―――舞台が代わって、ここはデュエルフィールド会場内のゲームサーバー管理室付近。
『私だ、 工作員に告ぐ。【ゲームシステムT・I-5】にて同胞を収集し、集中攻撃を決行せよ!!』
「了解―――!!」
そう言うとブラックヘロンの工作員はコントロールパネルに黒いUSBを指した。
そして、レミのいる選抜ブロックを強制的に書き換えた!!
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