第三章 自分はどう見えますか? 1
今のところ、鐘ヶ江高校での仕事はうまくできていると佑一は思った。
部隊は実力と経験がある生徒で編成されていたが、やはり編成されたばかりで連携が上手くできないことが多々あった。寺井と話し合い、一からやり直した。
屋外での連携訓練は勿論、屋内を想定した訓練もやった。ホームセンターからベニヤ板と角材を大量に購入し、二人で簡易的な屋内訓練場を作った。
部隊の面々は、最初は混乱した。普段あまりやらない屋内訓練で誤射や突入の順番を間違えたり、警戒を怠ったりすることが多々あった。こればかりはどうしようもできない。普通の授業ではそこまで徹底的にやることはない。上手くやれたのは、栞のみだった。彼女は他校との合同訓練にも積極的に参加し、知識と技術と実績があった為にそつなくこなすことが出来た。
「ちょっとまずいかな」
休憩中。栞は佑一にぼやいた。
「何が?」
「部隊が出来た経緯は知ってる。今のままじゃ及第点はあげられない」
隊長を任した栞は厳しかった。その意見は佑一も、寺井も同意見だった。
「私が個々をフォローするのも限界がある。全員の指導役は厳しい」
「やることは変わらない」
「けど、悠長にしてる時間はないわよ」
「わかってる。寺井先生も俺も、それは予想してた」
「何かアイディアでも?」
「俺も参加する」
「ナイスアイディア」
佑一も率先して訓練に参加し、自ら手本を示した。敵役になってペイント弾で撃たれることもした。
訓練ならば撃たれても死ななない。実戦で死なない様にするのが訓練なのだ。
だから佑一は全力を尽くした。懸命に彼女達を強くしていった。
その甲斐あってか、部隊は日に日に上達していった。まだ粗いところはあったが、一先ず形になってきていることは確かだった。
部隊の面々は佑一のアドバイスを積極的に聞いた。簡潔かつ的確な助言は理解しやすく、数回間違えても修正できるように付き合ってくれる佑一に、生徒達は自然と親しくなった。
それを見ていた栞は、最初は微笑ましく眺めていた。だが数日して、どういう訳か機嫌を悪くすることが多々あった。
「ずるい」
機嫌が悪い理由を聞くと、そんな答えが返ってきた。
「何が?」
「佑一君。私が何でも出来るからって皆にしか教えてないでしょう。私だってわからないこととか出来ないことあるんだからね⁉」
「古武隊長が拗ねてるぞー。どうする三上先生ー?」
「とりあえず伊崎さんはグラウンド三周走ってください」
「何でさ⁉」
「教師を馬鹿にしたのと、何かムカついたんで」
同年代とはいえ、教師役の命令には逆らえず真由はグランドを走らさせる羽目になった。「覚えてろー!」と恨みを吐くわりには元気そうで、部隊の面々は笑って真由を応援していた。栞も楽しそうに笑っていた。佑一と寺井も、思わず笑ってしまった。
今のところは順調だった。
不安材料をあげるなら、梨絵のことだ。
佑一は遠くの雑木林を見る。梨絵は担当官の野崎の隣に座り、聖書を読み続けていた。
梨絵は一度も訓練に参加しなかった。許可がおりなかったのだ。皆が訓練している間、梨絵は遠くで聖書を読んでいるだけ。コミュニケーションをとる以前の問題だった。これでは本来の、部隊としての意思疎通はとれない。
唯一の不安はそれだけだった。
◇
数日後。佑一と鐘ヶ江高校の部隊生徒は寺井が運転するマイクロバスに乗り、他の特別教育機関──
到着した訓練場は自衛隊が所有する演習場であり、場所を提供している。
佑一に生徒達を任せ、寺井は訓練に参加する学校の教師に挨拶をしに行った。
「手早く済ませるように」
控室として用意された大型テントに荷物を置き、佑一は訓練の準備を促す。
準備中、隣接するテントには合同訓練する学校の生徒がいた。軽く挨拶はしたが、どこか雰囲気が重い。あまり歓迎されていないのがわかった。
相手は実績のあるレベルの高い学校。対してこちらはレベルが上がってきているものの、部隊編成もしていなかったぽっと出の学校。それも女子高。単純に甘く見られている。
彼らの実績は疑いようがない。攻撃に重きを置く学校なだけに攻撃的な輩が多いのは構わないのだが、こうも敵意を向けられると気分が悪くなる。
嫌な空気を鐘ヶ江女子の面々は、少なからず感じ取っていた。真由は愛想を良くすることもなく、逆に睨みつけている。
「集合!」
「全員、こっちに集合だ」
離れた位置で寺井と、相手側の教師が集合をかけた。山陽高校の生徒が銃を担いでテントを出ていく。
「皆、準備ができたわね。集合しましょう」
栞に促され、鐘ヶ江女子の生徒もテントを出ていった。
佑一の隣で栞が溜め息を漏らす。
「感じ悪い。あまりいい気分じゃない」
「同感だ」
「佑一君は慣れてそうね、こういうの」
「トラブルメーカーか何かと勘違いしてないか?」
「いいえ、全然。それと、梨絵ちゃんの訓練参加はいつになるの?」
部隊には梨絵のことを、機密に関わる自衛隊関係者としか言っていない。
「掛け合ってる最中だ。難儀してる」
「それはわかるけど、隊長の私から言わせてもらうと不安よ。このまま訓練なしで実戦するなんて言わないわよね」
「努力する」
整列し、まるで熊のような体格と風貌の教師が口を開く。
「山陽高校、第一部隊責任者の熊谷だ。今日は鐘ヶ江女子高等学校の生徒と、我々山陽高校の合同訓練を行う」
「山陽高校はレベルの高い学校だ。今回、こちらは胸を借りるよ」
「そっちの生徒の胸は貸してくれないんですかね?」
「大きくて柔らかいのがいいな」
数名の山陽高校の生徒達で小さな笑いが起こる。対して鐘ヶ江高校の面々は誰も笑っていなかった。栞はまた溜め息を漏らす。
「静かに。からかうのは勝手だが、痛い目を見ても知らんぞ」
「まぁ、怪我のないようにやるのが一番だ。気を引き締めるように」
「各自、もう一度装備の点検を行うように。一〇分後に説明する。それと、渡したプリントを見てポジションを決めるように」
一度解散し、少し離れた場所で真由が苛立ちを爆発させた。
「なにあれ。キモいんだけど!」
「怒っても意味ないぞ」
「だってさぁ、最初からあんな態度だと腹立つじゃん! 我慢しろって⁉」
「そうは言ってない。だけど今からする訓練は実弾を使う。その調子で間違えば、相手どころか身内を怪我させるぞ」
「その通りよ、伊崎さん。気に入らないのはわかるけど、それとこれは別。今は訓練に集中するべき」
「……はい。わかりました」
冷静な二人に諭され、真由は渋々と頷いた。
真由の言いたいことはわかる。だが、これから行う訓練は実弾を使う。このままの調子で臨めば絶対に失敗する。だから二人は静かに、厳しく諭した。
「何かされたら殴っていいですよね?」
「理由をつけて殴ろうとするな」
「えー。ダメ?」
「ダメ。ゼッタイ。反省してないじゃないか」
引き下がらない真由を見て他の生徒は思わず笑ってしまった。栞にも笑顔が見えた。
「まぁ、殴る殴らないのは後にして、今はポジションを決めましょう。三上先生から何か意見ありますか?」
今までのくだけた口調から敬語に変わる。気を引き締め直し、佑一は口を開く。
「部隊編成の時に決めたポジションで進めますが、状況によって変更があった場合は臨機応変に。その際のバックアップを各自忘れないように。隊長は栞さん、副隊長は真由さんですが、これも状況によって変わることがあります」
「隊長と副隊長の交代って、現実で考えたら状況的にヤバイよね」
「ないとは言い切れないからね」
「そう。ないとは限らない。だから気を引き締めて行うように」
「はい」
◇
遠くから眺めていた山陽高校の生徒達。
「何で俺達が女子高の相手しなくちゃならないんだよ」
「愚痴るなよ」
「相手側の教師とクマ公──見た目が熊なのと、苗字の熊を合わせた生徒だけでの呼び名──が昔の職場の付き合いなんだと」
「じゃあ相手も元陸自? 痩せっぽちで事務系か?」
「あれが痩せて見えるのはお前が太ってるだけだ」
「お前のベストぱっつんぱっつんだぞ。何で動いて汗かいてんのに瘦せないのかね」
「ぱっつんぱっつんと言ったら、相手の女子達もぱっつんぱっつんですよ。結構デカいのが多いですよ。可愛い子しかいないですよ!」
「ウチは女子少ないしなぁ。可愛いのもいるけど、ウチらの女子って攻撃的だし」
「でもお前の彼女可愛いじゃん」
「彼女持ちめ」
「リア充め」
「好みの子いる?」
「日焼けした背高い子がタイプ。健康そうでいい」
「それ、ウチの学校に毒されてんぞ」
「胸がない。却下」
「あっちの隊長スゲー好み。可愛い。おっきい」
「わかる。スゲーわかる」
鐘ヶ江高校の女子達を選別している中、混じっている佑一を見てボヤく。
「いいなー。あっちの男子は美女に囲まれてて」
「ていうか、アイツ誰? 鐘ヶ江高校って女子高だろ」
「さぁ。生徒って訳でもなさそうだし、私服だから学校もわからねぇ」
「助っ人?」
「同い年で助っ人?」
「ハーレムでいいねぇ」
「なんか偉そうだし、訓練に参加するならちょっとボコらね?」
「クマ公に見つかっても知らないぞ。それに実弾使用だ。集中しろ」
「時間だ。全員、集合!」
熊谷から集合がかかる。「はい!」と声を上げ、全力で駆けていく様は強豪校の運動部のようで、訓練であろうとも気迫が籠っていた。他愛ない話から瞬時に切り替える様は流石だった。
◇
どうなるかと思っていたが、訓練が始まってしまえばその不安は消えていた。
部隊として初めての合同訓練。やること全てが初めてだったが、大きな混乱もなかった。屋外での訓練に加え、建物内を想定した屋内訓練もした。
「本日の合同訓練はこれで終了する」
「お疲れ様。装備の点検と清掃を行い、少し休憩してから帰宅準備だ」
「ありがとうございました!」
訓練が終了し、生徒達はテントで装備を外した。
休憩を挟みながら、数時間みっちりと訓練をしたおかげで、鐘ヶ江高校の生徒は疲労が見てわかる。夏の暑さに加え、初めて会う生徒との合同。体力はまだ余力があるものの、精神的に疲れていた。
「お疲れ様」
プレートキャリアを脱いだ佑一に栞が声をかけた。髪の毛から汗が少し滴っていたが、他の生徒と違って疲れた様子がない。まだまだ余裕がありそうだった。
「はいこれ」
栞から差し出されたスポーツドリンクを受け取る。よく冷えていて、一口飲むと乾いた喉が潤っていくのがわかる。
「ありがとう。お疲れ」
「随分と余裕そうね」
「それなら栞もそうじゃないか」
「まぁね。……ま、あっちの人達よりは元気ないかな」
横目で、隣の山陽高校の生徒を見る。
山陽高校の生徒はまだ余裕があった。訓練が終わった解放感からか、着替えながら騒ぐのは運動部のようだ。まだ元気が有り余っている。
彼らは経験もあるが練度が高い。そして実績通り、攻撃的な部隊だった。勢いがあって良く進む。攻撃が最大の防御と言わんばかりに突き進む姿は、まるで海兵隊に似ていた。
「猪突猛進だけど、やっぱりウチの学校よりレベルが高いってわかる」
「こっちは出来たばかりの部隊だ。仕方ない。それに、出来ないことを出来るようにするのが訓練だ。上出来だよ」
「そう言ってくれると励みになるわ」
荒々しい山陽高校の生徒に着いていく鐘ヶ江高校の生徒は、多少の失敗が出たり、彼らより遅かった。とはいえ、初めてのことで全て上手くいくなら訓練など必要ない。実戦で失敗しない為に、訓練で失敗をした方が断然良い。それが佑一の考えだ。鐘ヶ江高校はまだ伸びしろがある。
「やっぱり女子ってノロいよな。何でだ?」
「デカい脂肪の塊が二つもあるからだろ」
彼らにとっては何気ない会話だった。訓練から解放されたこともあるが、決して馬鹿にしたつもりではなかった。いつもの感覚で話してしまったようなものだ。
それはもちろん、隣にいる鐘ヶ江高校の生徒にも聞こえていた。不快だが、疲れているので聞き流すことにした。
「は?」
真由を除いて。
「馬鹿にしてんの?」
「え? いや別に?」
「ない奴が怒ってるぜ」
「あぁ?」
誰かが火に油を注ぐ言葉を発し、真由は更に声を荒くする。
さすがにまずいと思い、他の生徒が真由を宥めた。佑一は真由に「落ち着け」とジェスチャーを送った。
「軽口を叩くな。悪かったな」
「こっちもすまない」
山陽高校の部隊の隊長が窘め、謝罪した。佑一も謝罪する。
「謝る必要はないだろ」
場をおさめたと思って銃の清掃をしようとしたら、山陽高校の一人がそう言って続けた。
「訓練でノロかったのは事実だし、失敗も多かった。今回の訓練は実弾使用。一歩間違えば大怪我だ。謝罪の一つも欲しいだろ」
「やめろ。謝罪はその場でしていた。失敗は彼女達だけじゃない。俺達もしてる。お前だって、屋内訓練で確認不足だった為に標的を見逃しただろ」
「【NE】がCQBやるってか。扉の裏や隅っこに隠れるってか? 面白れぇ。あんなのただの動物だ」
その生徒は続ける。
「大した実績もないお前達はわかんないだろうけど、俺達みたいなレベルになれば【NE】なんて簡単に倒せる。ISCが公開している【NE【討伐数で載ったことあるのか? 俺達はある。国内の特別教育機関の部隊で、ランキング一〇位以内に入ってる」
「やめろ。自慢することじゃない」
「最近注目されてるとか知らねぇけど、所詮は前線にも出たことがない甘ちゃん女子達の集まりだろ」
「アンタ、もう一回言ってみなさいよ!」
「真由やめなって!」
「相手する必要ないから!」
怒りで殴りかかろうとした真由を、横にいた生徒二人がかりで押さえる。栞も座っているが、自然と拳を作り、震えていた。
「文句を言いたいなら一人前にマザー級の【NE】でも倒してから言ってくれ。まぁ、お前達だとチルドレン級【NE】の相手で手一杯な素人なんだろうけども」
「貴方、馬鹿にするのもいい加減に……!」
我慢できず栞が動く。
が、立ち上がる前に佑一が肩を押さえ、パイプ椅子に座らせた。佑一は反対の手でアサルトライフルのストックの付け根を握り、振り向き様に生徒の顔面を全力で殴りつけた。
「あがぁ、あああぁっ!」
鼻が折れ、鼻血が止まらない。突然の痛みに耐えきれず地面を転げ回り、絶えず流れる鼻血を両手で押さえていた。
「何してんだテメェ!」
「銃を下ろせ! 構えるな、命令だ!」
「手を出したのはあっちだぞ!」
「黙れ、この馬鹿野郎が! いい加減にしろ!」
山陽高校の面々が咄嗟に銃を構えるが、隊長が間に入って宥めた。それでも血気盛んな部隊を抑えるのは苦労していた。鐘ヶ江高校の生徒達は佑一の行動に目を丸くして動けなかった。栞も、こんな突発的なことをするとは考えていなかった。
当の佑一は至って冷静。ストックについた血をタオルで拭い、アサルトライフルをテーブルに戻す。携帯電話を持つと、画面をタップして操作し始めた。その場にいる全員が行動の意味を理解できなかった。
「くそ、この野郎っ……!」
「どうぞ」
殴った生徒に、携帯電話を優しく投げた。
「見てください」
意味がわからず二度見した生徒は携帯電話を手に取る。
画面に映し出されていたのは、ISCが公開している正式ホームページだった。【NE】に関する情報がニュースのように掲載されるホームページには、討伐数などに関する報告もある。
「個人ごとの【NE】討伐総数のランキング? 何でこんな──」
『ISCによる、日本国内の特別教育機関指定生徒の【NE】討伐総数ランキング』と銘打たれたページ。その一番上に載っていた人物は、つい今しがた自分の鼻を折った人物だった。
『一位:三上佑一 所属:IDEI特殊戦闘科高期二年A組及び陸上自衛隊
討伐総数:一九八七』
「討伐数……一九八七……⁉」
「はぁ⁉」
異常な数字を聞き、周囲の生徒達は一斉にホームページにアクセスする。
「マジだよ……」
「自衛隊の関係者かよ……」
「というか、何でIDEIの生徒がこんなことしてんだ……?」
「二位と四〇〇以上の差をつけてるし……」
「うわ……すご」
「一応言っておきますけど、自分は中期一年から入学していますので」
IDEIは中高一貫のような進学システムだ。在学は今で五年目。一日に一匹は刈【NE】を殺している計算になる。
愕然とする生徒に、佑一は無表情で、冷たく言い放った。
「こんなランキングで程度がわかるなら、個人で一番多く殺している自分は、貴方にはどんな姿に見えますか?【NE】の理解力は想像以上です。一度逃がせば知恵をつける。人間の行動を本能的に理解する。扉の裏や部屋の隅に隠れます。それで喰われた人間を、何百も見てきました。【NE】を簡単に殺せる方法、教えてもらいたいですね。【NE】を殺しただけで偉いなら、俺は貴方達の何百倍も偉いですか?」
「それは……」
「違うでしょう。【NE】を何匹殺したとか、そういう話ではないでしょう。彼女達は大切なものを守る為に銃を握って戦っています。それに優劣は関係ない。その意志は、その決意は、その誇りは、その意味は、部外者がどうこう言って侮辱することではないでしょう。守る為に戦うことを選んだ彼女達をまだ侮辱するようなら、全員、自分が相手をします。一人残らず、なにも言えなくなるまで粉々に叩き潰します」
言葉通りの意味だった。
これ以上まだ続けるなら、全員のプライドをズタボロにして二度と立ち上がれなくしてやる、と。
沈黙が生徒達を埋める。佑一の気迫と無表情で山陽高校の生徒達は怯んだ。隊長生徒は即座に理解した。この人と戦っては駄目だ、と。
溜め息を漏らし、生徒から携帯電話を取り返す。
「もうやめましょう。自分達の出発まで三〇分もありません。だから黙ってろ」
最後の一言。押し殺しながらも吐き出そうとした感情を無理矢理に抑え込み、短く発した言葉だった。
これ以上喋れば、鼻を折るだけでは済まなくなりそうだった。
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