6.縮んでいってる都(みやこ)

これまでのあらすじと解説 ※ネタバレご注意!

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※※     ご注意!      ※※

※※  5章のネタバレ含みます。 ※※

※※ 未読の方は、読了後の閲覧を ※※

※※  強くお勧めいたします。  ※※

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これまでのあらすじ:


5.古くからすんでる人


 旅の仲間は、西の海から大河マグナ・フルメナ沿いに商業の街ヌーラムへと戻る。しかし街は、川賊かわぞくの被害により変わり果てた姿となっていた。

 バールは、漁村ピスカントルに続いて無償の取引をするが、再会したゲオルクに認められる。

 巫女みこエレノアも月の院に一時戻り、マルコとアルは新たな仲間と出会う。

 ハーフエルフのエルベルトと行動を共にしていた長命のエルフ、アカネだ。

 巫女長サチェラに月の祝福をうけたマルコは、仲間とともにヌーラムの川上、賊の拠点へ偵察に向かう。


 一方の王都は、月に一度の西の魔軍を防いだあと、王女レジーナ付き補佐官のユージーンが、川賊対策を精力的にこなしていた。

 また、召喚術以外の魔法が使えないアルの悩みを解決するため、研究長コーディリアが携帯杖ワンドを作る。

 ユージーンは、コーディリアの本棚から「神の善意」および「発動」と書かれた魔法書を手にする。

 二人と王女は協力して、新たに検知した『これまでなかったマリス』、探究者アル、そして異邦人マルコの動向を魔法図マジア・ヴィズムで見守っていた。


 マルコはじめ旅の仲間は、エルベルトと別れ、あやしいやかたを調査する。そこは、10年前にアルがエレノアを救い出した、まさにその場所だった。

 探索を順調にこなす仲間たち。アルは、10年前に起きた惨劇との違いを実感する。

 調査の最後は、やかたの屋根の上に立つ塔屋とうやだった。

 神の悪意、マリスの反応から、これまでと違う戦いを予感するマルコ。過去の記憶が蘇るアル、エレノア。

 塔屋とうやでは、魔法を使う魔物、屍の魔術師リッチと対峙。アカネ、バール、そしてマルコの連携で見事に討ち果たすがしかし、アルとエレノアが恐れた、古代人こだいじんにも遭遇した。

 明らかになる古代人こだいじんとアルの過去。アルの探究のはじまりであるエレノアの救出は、発動された神の善意、グリーによる壮絶な魔法の賜物たまものだった。

 その時の痛みを思い出し、ひる古代人こだいじん。彼に痛手を負わせ追い払ったのは、マルコが持つ神の悪意、卵のマリスだった。


 古代人こだいじんは『これまでなかったマリス』を手に、西へ飛び去った。


 戦いを終え、ヌーラムの不穏ふおんを取り除いた仲間たち。

 城からの招待状も得て、共に旅立つ。

 マルコは、目的地である王都に、ついに入城した。



解説:


・グリー

 神の善意の石。第三の民、人間に良い影響を及ぼす。

 アルは、アルバテッラ王立魔法学院アカデミーの探究者で、魔法学院アカデミー所属の「ロムレスのグリー」を杖に仕込んでいる。


・マリス

 神の悪意の石。人間に悪い影響を及ぼす。

 アルバテッラには、マリスやグリーが複数存在する。


・マルコが運ぶ『たまご』のマリス

 マルコが腰にしばる袋に入れたマリスは、南の森の狂戦士バーサーカー宮殿跡で発見された。

 3章でアルは、先祖の狂戦士バーサーカーがこれをあがめていた、と告白する。

 3章のルスティカと、4章の西の海のマリス。5章では古代人のマリスを一部取り込んで大きくなり、ニワトリの大きな卵の形をしている。

 2章のアエデス、またハーフエルフのエルベルトは、このマリスを『たまご』と呼ぶ。


・暗い袋(アルの杖先のもの、マルコが腰にしばるもの)

 グリーとマリスの力を外部へ及ぼさない魔道具。普段はこの袋をグリーとマリスにかぶせている。

 2章でアエデスは、この袋を「ニーグラム……」と言いかけた。


・エルフ(第一の民)、ドワーフ(第二の民)

 第三の神(人間の神)に由来するグリーとマリスの影響を受けない。そして「関われない」。


・バルタザール・コナンドラム

 若ドワーフ。長い引きこもりの鉱山生活で、グリーとマリスに手袋越しに触れている。


・エレノア・ウォーターハウス

 かつてアルに、古代人から救い出された。その時傷ついた首を隠す首飾りチョーカーを、5章で捨てさった。


・エルヒノア・アカネ・ロムレス

 見た目少年の、長命の古代エルフ。エルベルトがマルコに贈った剣ハート・ブレーカー、元の名「コルディス・インテルミッサム」(心臓こわし)の持ち主。

 5章でマルコに剣を返してもらい、「マルコの剣」となることを誓う。

 4章で「タマゴのわらべ歌」に「水と炎の 目がさめる」と歌われ、エルベルトに「『その日』は近い」と話された。


・アルフォンス・キリング

 かつて南のマリスを信奉した狂戦士バーサーカーの子孫。幼くして父母を亡くし、王都の魔法学院アカデミーへ入学。卒業後、「ナット先生」の跡を継ぎ、南の探究者となる。

 南へ移り、10年後にマルコを召喚。その目的は、異邦人の手で南のマリスを安全な場所、王都へ運ぶことだったが……。

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