雨猫


雨猫雨猫

ねえねえこっちを向いてよ

僕は一体

何に怯えているのだろう

僕はどうして

こんなにもがき苦しむのだろう

雨猫僕の

最後の願いを聴いておくれ


傘を差しているのに

僕は濡れている

街灯がぼんやり光り

そっと目をそらす


辿り着いた部屋には

黒猫がぽつり

壁紙が破けているのに

白けた顔の君


要らない人形に爪立てて

君は何を望むの

見えない未来探し求めて

僕は何をしたらいいの


雨猫雨猫

今日の僕は上手く笑えたかい

僕は皆と

同じように息をしていたかい

僕は皆と

同じように今日を生きていたかい

雨猫僕は

最後まで足掻いていられるかい


晴れの日の朝に

僕の頬は濡れている

全身が鉛みたいに

僕は何もできない


真っ暗な部屋には

黒猫がぽつり

こんなに散らかってるのに

嬉しそうな君


喉から吐き出すナイフの矛先は君か僕か

傷付けたくはないのに

見えない未来に苦しんで

僕は何をしたらいいの


雨猫僕の

最後の願いを聴いてくれ

僕は何一つ

誇れることなんて無いけれど

たった一つだけ

出来ることがあるんだ

雨猫僕は

歌えるよ歌えるよ


雨猫僕の

最初の歌を

聴いてくれ

僕はとっくに

生きることなんて諦めているんだけど

僕がこんなに

苦しいのは僕のせい僕のせい

雨猫僕の

最後の願いを聴いておくれ


窓辺の花とお昼寝

僕はそんな些細な

小さなことで

幸せを感じていたいだけなんだ

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