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冷めたアップルティーを飲む。
それでも私の口は止まらなかった。
「ばっかみたい。東京で優しい両親の下 生まれ育って国立の四大出たなんて嘘、小さ過ぎるよね。そんな子供の理想論みたいな嘘ついた自分も情けないし、それが理由で簡単に終わりにしたアイツも情けないったらならない……」
「…………」
「ははっ……そんな顔しないでよ。でも、なんでバレたんだろうね。私達結構良いカンジだと思ってたのにな」
――私の思い違いだったって事ね。
ひとりよがりの虚しさに目頭が熱くなる。
精一杯の虚勢を張って苦笑いしながら、それでも堪えきれない涙を拭った。
「……すいません」
何かを我慢しているかの様に押し黙っていた男が、視線を落としたままぽつりと呟く。
男性にしては白く、肌理の細かい肌が造る顔一杯に苦渋の表情を浮かべている。
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