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「あんたの謝るところじゃな――」

「違います」



謝るところじゃないってば、と言いかけた私を遮って、彼が強い口調で否定した。


思わず彼の顔に目をやる。

先程までとは違う、決意を宿したかの様な目。

見つめられて、今度は私が押し黙る番だった。



「高島裕美子さん、僕は」



握っていた拳をテーブルに軽く叩きつけ、何もない空間に一瞬だけ視線を走らせてから彼は真っ直ぐ私を見た。








「僕は貴女が好きなんです」




「…………え?」




「なのに」




なのにこんな事を、と肩を落とす未だ名も知らぬ男の前で、私は自分が発すべき言葉を探した。

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