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「今日の事って……さっき何でも知ってる様な口振りだったじゃない」



思わず反論すると、目の前の男はしょげた表情で緑色のアイスを口に入れた。



「ちゃんと裕美子さんの口から聞いて、確認したいんです」



「……変なの」



ひとりごちってから皿に目を落とす。

エビ、アボカド、エビ。

順番にフォークにさして一気に食べる。


うん、美味しい。


贅沢なひと口に免じて、彼の妙な交換条件をのむ事にした。




「今日、彼氏に振られた。すんごいお金持ちのボンボンの、フヌケ野郎に振られました!……原因はあんたがさっき言った通り私が見栄を張って嘘ついてたから。つまんないでしょ、ド田舎で産まれて、親が両方ともすぐ都会に逃げたから色んな家転々として過ごしてきたのを隠してたのが原因だって」

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