第7話 学生と一人称
投稿頻度は決して高くはないが、飽き性な自分からすれば続いた方だ。
そう「自分」。
皆様に問いかけたい、貴方の一人称は何ですか?
砕いて言えば、自分自身のことを何と呼びますか?
「私」「僕」「俺」「わし」「自分の名前」「アダ名」「自分」「小生」「わい」「おじさん」
後半はふざけてしまったが、一人称なるものはきっと多く存在する。
作者は「自分」を基本的には使う。
そう、基本的にはだ。
目上の方との会話では「私」を使う。
それには確かな理由が存在するのだ。
「わたし」たったこの3音で大抵の人間は女性だと判断されるだろう。
男性であろうと、私という一人称を使う人間はいる。だが、世間一般(あまりこの言葉は好きではないのだが使わせていただく)に言えば
私=女性的な一人称という考えがあるのではないか。
俺、僕=男性的な一人称という考えと同じようなものだ。
唯一、「自分」という一人称だけが言葉としても、世間からみても男女の定義がなされない一人称だと考えている。
前項でお話をさせていただいたように、一概にジェンダーを定義されることに微かな拒否反応がでてしまうのだ。
従い、「自分」という言葉でジェンダーを作り上げている。
だが、「私」が生きた社会ではそれほど甘くはなかった。
「自分」という一人称ではその社会を生き抜けなかった。
「面接試験でその一人称はね、女性としてのイメージがよくないな」
そう告げた、椅子にふんぞりかえり頭をボリボリとかきむしる教頭。
「あぁ、そんなのわかっているさ。自分は自分らしくいきるためにも、私をやめる気はない。自分もやめる気もない。この社会で自分らしく生きるために、都合よく生き抜いてやろう」
そんな思いは口にはできず
「癖なんですよね、これから直しますね」
力がこもってしまった手とは逆の手で部屋のドアをゆっくりとしめた。
そうだとも。
私を使わねばこの社会で生きていらねぬというなら、使うのだ。
それこそ自分が自分らしく生きるための道だと信じるしかないのだ。
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