切り離された世界
魔界、それは
その世界の
…………。
背中から山羊が生えた獅子の顔と蛇の尻尾を持つ魔物、キメラ。
常界には居ない不思議な生き物。
少女と遭遇したキメラは臆病な性格です。
怯えた少女は腰が抜け動けない。
少女を縄張りから追い出したいキメラは威嚇を続ける。
かみ合わない状況を一変させたのは魔王だ。
少女を抱え、キメラの縄張りから遠のいた魔王は少女に告げた。
「あの子は臆病なんだ。縄張りに入った君を追い出したかっただけで、君を食べる気は無いよ」と。
安堵した少女に問います。
「なんで
少女は答えます。
「
魔王は「そうかい」と呟き、少女に忠告します。
「この世界は常人が来ては行けない」と。
「なんで」と少女は問います。
「この世界の物を食べたり、飲んだり、塗ったり、すると君がいた世界に帰れなくなるからだ」と魔王は答えます。
「それはいや」と少女は呟きます。
少女の言葉に魔王は安堵します。
少女が開けた異界門のある場所に着いた魔王は抱えていた少女を下ろしました。
異界門に歩み寄っていた少女は振り向き告げます。
「助けてくれて、ありがとう」と。
感謝に返す言葉は「どういたしまして」です。
少女は異界門を通り魔界から消えました。
『もう少し、会話を楽しみたかった』
それは十数年ぶりの来訪者に魔王が抱いた気持ちでした。
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