遅い世界

遅界ちかいと呼ばれる異界いかいは時の流れが緩やかだ。


遅界は異能いのうで作られた異界である。


その数は数百に及ぶ。




遅界はその特性を活かし、劣化の早い食物を保管したり、治療法が見つかっていない難病の患者を住まわせている。


遅界で暮らす生き物は常界じょうかいと変わらない感覚で一時間を過ごしている。


※常界とは基準となる世界


ある遅界の一時間は常界の一分である。


※遅界の一時間が常界の一秒である遅界もあり、遅界という分類は種類に過ぎない。


個人の感覚は等しくとも、世界の感覚は異なっている。


『郷に入れば郷に従う』それが全世界に共通する決まり事である。




異界鍵いかいのかぎは一つの世界に一つとは限らない。


が世界に対応する異界鍵は一つ以上存在する。


それは決まり事である。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る