第82話〜【女神の祝福】

…………。


【女神の祝福】を【職業自由選択】に使用する!


最後の特典ボーナスを選択する。


すると、俺の中で何かが大きく変化したのを感じた。


ーーードクンッ!

ーーードクンッ!!


体が、体調が変化した訳ではない。


けれど、明確に俺の中で何かが変化、いや、進化した。


内側から臓器を、脳みそを作り替えられていくような猛烈な不快感。


まるで存在そのものを作り変えられていくような…


「ちょっと、いきなりどうしたの?」


ヒナの声が遠くに聞こえる。


しまった、選択肢を間違えたかもしれない。


もしくは早まったか。


まさかこんなに大きな変化が訪れるなんて…


少なくとも一応は安全地帯だという階段だったのは不幸中の幸いだ。


普段ならこんな迂闊なことしないはず。


やっぱり他人を信じるなんて…


……ダメだ……意識が……


…………。

…………。


ーーー【万物の書】に接続中…


ーーー【職業自由選択】に【女神の祝福】を使用。


ーーー【職業自由選択】には進化先がありません。


ーーー審議中…


ーーーシステムを一部アップグレードします。


ーーー【職業自由選択】は【女神の祝福】を使用したことで【ジョブホッパー】となりました。


ーーー【転職神の加護】を得ました。


ーーー称号【転職者】を得ました。


…………。

ーーーーーーーーーー。

種族:人族(♂8歳)

名前:ナナシ

階位:25

職業:冥界師

状態:欠損(左手)


腕力:D+体力:D -

魔力:E 知力:C+

敏捷:C+器用:E+

運勢:D -


称号

・転生者・迷宮探索者・◾️◾️◾️◾️・転職者


加護

・【転職神の加護】


固有スキル

・言語理解・ジョブホッパー・進化の瞳・◾️◾️◾️◾️


ユニークスキル

・迷宮適性Lv:2・分割思考Lv:3・不死者Lv:4


スキル

・観察眼Lv:Max・短剣術Lv:3(6)・追跡Lv:4・不屈Lv:8・隠密Lv:8・危機察知Lv:7・苦痛耐性Lv:6・悪食Lv:5・逃走Lv:5・視線感知Lv:3・◾️◾️◾️◾️・◾️◾️◾️◾️・◾️◾️◾️◾️・◾️◾️◾️◾️

ーーーーーーーーーー。

…………。

…………。


「うーん、やはり彼は面白い」


自身の管理する世界のシステムからの申請を受けて、ベイオルフは愉快そうに笑った。


宙に現れた画面には、少し前に自身の世界へと送ったお気に入りが映っている。


すでにここに至るまでの過程も全て閲覧し、短期間に起こった彼の不幸な出来事は久々に彼を楽しませてくれた。


「他の者たちと比べて、彼は頭一つ、いや二つ分は飛び抜けて面白いな」


そう呟きつつ、彼を救おうと動くとある人物の邪魔をする。


「あの子に介入されたらせっかくの見せ物が台無しだ。しばらく大人しくしていてもらうよ」


あの世界における、言わば¨お助けキャラ¨が突然現れた空間の歪みに囚われて世界の果てへと飛ばされる。


「まさか特典ボーナスをあれに使うとは。やはり想定外が起こるのはいい刺激になる。是非とも彼にはもっともっとあの世界を楽しんでほしいものだ」


システムのアップグレード許可を出し、【職業自由選択】を新しく創造した【ジョブホッパー】へと進化させる。


「まだまだあの世界は面白くなる。デバックはもとより、テストプレイは世界が壊れる限界までやってもらわねば」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る