第83話〜【ジョブホッパー】

…………。


「起きなさい」


「へぶっ!?」


頬に衝撃を受けて意識が覚醒した。


同時に視界に入る、無表情のヒナの顔。


いや、どことなく心配そうにしてるか?


とりあえず現状の把握だ。


ここは…


ここは階段か。


迷宮の安全地帯。


「ヒナ、どれくらい、気を失ってた?」


「1、2分くらい。突然倒れたから様子を見て、異常は感じられなかったから叩き起こした」


なんて乱暴な…。


…………。


1、猫耳をつまんでやりかえす。


2、起き上がりざまに唇を奪う。


3、「知らない天井だ…」と呟く。


4、礼を言う。


…………。


「起こしてくれてありがとう」


時間が無駄にならなかったし、礼を言っておこう。


下手な事したら1、2分どころでなく意識を失うことになる。


「大丈夫なの?」


「大丈夫、ちょっとめまいがしただけだから」


そう言いながら、自分のステータスを確認する。


すると【職業自由選択】が別の、【ジョブホッパー】に変化していた。


どうやら【女神の祝福】はうまく発動したらしい。


ーーーーーー


【ジョブホッパー】


新たな【職業】に【転職】を繰り返すことで多くの経験とスキルを得た者だけが到達することができる固有スキル。


これまでに培った経験とスキルを使用可能。


【職業】を任意で変更可能(ジョブチェンジ再使用までの時間はレベルによる)。


ーーーーーー


固有スキル【ジョブホッパー】か。


【職業自由選択】が2段階進化したスキルなわけだし、相当な効果がありそうだ。


ステータス上での変化は職業にジョブホッパーが表記されて、それまでの職業、つまり今なってる職業が()に表示されている。


説明文を読んだ感じ、他の職業に変わっても前の職業のスキルとかも使えるってことかな?


確か職業を変更する事で使えるようになるスキルがあるみたいだし。


例えば今の職業の【冥界師】だとスキル【不死】だけど、別の【魔法使い】とかになっても引き継げる、みたいな。


これは実際にやって試した方がいいな。


クールタイムも確認したいし。


再使用までの時間はレベルによるってことは、もしクールタイムが長くて簡単に使えないようなら迷宮内にいる現状、即戦力になる職業にしておかないと大変な事になる。


クールになれ。


よく考えて決めないといけない。


さて、どの職業になるか。


ジョブチェンジできる職業は一通り頭に浮かんでくる。


その中でも今必要なのは…


…………。


1、【魔術師】になる。


2、【格闘家】になる。


3、【短剣使い】になる。


4、【遊び人】になる。


…………。

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