第2話〜探索開始

…………。


扉の先には通路が広がっていた。


ちょうど三叉路の交点の位置に扉があるらしい。


いきなり三択の道があるなんて。


さて、どうしようか。


まずは情報収集、にしても情報量はあまり多くない。


通路は部屋の中とほぼ同じ外観。


両手を広げたくらいの幅であることを除けば、壁も床も天井もなんら変わりはない。


扉を開けて真っ先に視界に入ってきた正面の通路。


奥の方には上り階段が見える。


途中には左右に2つ扉がある。


右側の通路には途中に左側に扉がある。


そして奥にも扉。


左側の通路には右側に扉があり、奥にはやはり扉。


どうやら左右対称のようだ。


とりあえずここで取れる選択肢はいくつかある。


「…………。」


1、しらみつぶしに全ての扉を開けて調べていく。


2、階段を登ってとにかく上へ進む。


3、後ろの部屋に戻って誰か来るのを待つ。


こんなところか。


…………。


とりあえず3は却下だ。


なぜ自分が記憶を失った状態で部屋に一人いたのか、どういう状況なのかを見極めないうちに部屋に閉じこもるのはあまりいい結果にはならなそうだ。


2に関して言えば悩むところだが、差し迫った危険という点では判断材料が少なすぎる。


となれば少しでも情報量は多い方がいいだろう。


しらみつぶしに全ての扉を開けて調べていこう。


…………。


まずは右側の通路から。


奥まで行かず、手前の左側の扉を開ける。


キィ……。


特に何もない。


強いて言えば、リュックの中にあった保存食のものと同じと思われるゴミがあった。


人のいた痕跡だ。


隈なく探そうにも他には本当に何もない。


…………。


部屋を出て右側の通路の奥の扉を開ける。


これは…。


ポツンと、部屋の中央には鍵が落ちていた。


拾って見るとポケットに入っている鍵とよく似ている。


鍵を手に入れた。


他には何もない。


…………。


反対側の通路に向かう。


左側の通路の手前の扉を開けようとした。


ガチャガチャ…


鍵が掛かっているようだ。


先に奥の部屋に行こうか。


扉には鍵穴がある。


…………。


さっきの部屋の鍵を使おう。


ガチャ。


どうやら鍵はこの部屋のものだったみたいだ。


ゆっくりと扉を開ける。


すると…


ーーーーァァアア!


嗄れた呻き声と共に黒い影のような塊が迫り、そこで意識が途絶えた。



~GAME OVER~

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