第10話「なるようになる」

先のことは分からない。


だからこそ

私達は心配をし、不安になる。


「大丈夫」だという保証が欲しくて

保証っぽいものを手に入れようと

あせったり焦れたりイライラしたりパニックになったりする。


あげく

無力感にさいなまれたりする。



無力感にさいなまれるのは、

実は、正しい。


私達は運命に対して無力だからだ。



目先の勝負なら

努力で勝率をあげることも出来る。

が、

人生の流れのなかで

いつどんな幸運や不運が訪れるかは

予測することも備えることもできず

誰の手によっても

コントロール不可能なのだ。



世界は

自分以外は全員他者である。

他者もまた、コントロール不可能だ。


嗚呼、大いなる無力であることよ。

気苦労の、なんと無意味であることよ。




私達がコントロール可能なのは

今この瞬間の自分自身だけ。


運命は変えられなくても

自分自身は変えられる。


せめて

笑っていよう


せめて

愛の言葉を吐こう


自分自身の為の目先の努力でもしよう。


過去のことをグジグジ云っても変わらない。

先のことをビクビクしても変わらない。

ひとのことをグダグダ云っても変わらない。



すべては、

なるようになる。

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