第14話嘘つき

母親は、娘を抱きしめたい気持ちでいっぱいになった

「あ、、その」

(私が、お母さんなんだよーーごめんね、ごめんね)

「、、、うっ、、、、うっ、、、」


知らず、知らずのうちに涙がこぼれていく

「--かえって」

母親の涙を見て、妄執入りの手袋を突き付ける「クール」


「それ、おいしいから食べなよーーああ、それと」


その時自室からベールが出てくる

「久しぶりですね、出来損ないーーまだ生きていたんですよ」

「ええ、お母さま相変わらずですね、この扱いの差は何なんでしょうかね」


「--決まってます、金にならない子は売るそうでしょうあなた」

びくりと、クールたちの「母親」がはねる

「そんなことより、仕事ですよ、この神に目を通してくださいね」

そういって、髪を手渡す

「安心してください、私も


「それはよかった」


凍り付いてる二人と母親を見て、とりあえず焼き芋を口の中に入れる

「食べなさいよんーまぁ、忘れて、


「まって、」母親は告げる「なんで、どうして

「妹はーー知っているでしょう、金よ

この家の投資金額にならなかったから、いえ、投資するために

あの子は殺された、すこしばかりのはした金とともに、あの女に殺されたのよ

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

向島の家は、もともと「中条」というものだった、

江戸時代、中条っていうのは、子おろし専門の薬屋

かなりーーもうかっていたらしい

白蛇伝説の地その本家本元だった


だが、じいさんの娘はその意思を継がずーー祖先の誤りを見て自分もしようとした


そう、赤子殺しーー江戸時代、捨て子は養育すれば金が入る

お上や、共同体からねだからーー捨て子を広い、金だけむさぼり取る商いが始まった


徳川綱吉の生類憐みの令は、馬、捨て子、捨て病人などを禁止する令で

でも、それでもーー捨て子はなくならなかった


捨て子に縄を付けー吊るし、火であぶり殺す荷を得意としていたーー夫婦がいる

だからそのまねをして」


「貧しい世帯の人間や、貧しくなくとも忙しくて子供が育てられない母たちから

お金をもらい、火で殺した

しめてーーー二十九の赤子が売られた、生き残ったのは一人だけ

そう

「相棒」ただ一人

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る