第9話 ただの特訓の筈なのに
「起きなさい。」
ああ?誰だよめんどくせえ。
俺は、外の光が眩しく、目を閉じて体を起こす。
せっかくの休みなんだからもう少しゆっくりしたいわぁ。
「あら、意外と起きるの早いわね。一回起こしただけで起きたわよ。」
隣を目を少し開けてみたら、見覚えのある女がいた。
えーと・・・あー。転生したんだっけ。
意外と冷静な目覚めだった。普通なら、夢じゃなかったのか、と、思うだろうが俺は違う。学校で怒られなくなり、安心しかない。
「くぅーあぁー。おはよう。」
俺は大きく欠伸と背伸びをしてから朝の挨拶をする。
「おはよう。」
クレアは寝起きの俺をまじまじと見てくる。なんだなんだ?俺に惚れたか?相手はクレアとはいえ、人と目を合わせるの苦手だからやめてほしい。なんたって家族とも目を合わせないからな!
「あんた、いつもも大概だけど、今はかなり優しい声よね。本当に男?」
最近女の子になりたいと思っている男です。理由は男の娘が好きだから。同士カモン!本題に戻って、寝起きは仕方ない。相手がクレアなら、変に警戒したりする必要もないからな。
「俺は基本的に優男だからな。」
俺は不良みたいなところもあるが、根はまあまあ優しいと思う。むしろ俺より優しいやつなんていないんじゃないかってくらい。ちなみに、アニメで闇のような女子をみた結果だ。なんなら、俺の性格はアニメを見て作られたと言っていい。
「・・・ハァ?www」
こいつ、くっそムカつく顔で煽ってきやがる。
なお、一部のまあまあ仲のいい、特にパートナーみたいな奴には、そこまで優しくない。
「お前よりは優しい。さて、大分目が覚めた。飯食うぞ。」
そういえばギルドで飯食うんだっけ?やっぱ、俺が食券渡したからプラマイゼロとはいえ、人の金で食う飯は旨いんだろうなあ。
「じゃあギルド行くわよ。」
俺達は、鍵を返して、ギルドへ向かう。それにしても、今日も今いた宿屋に泊まるんかな・・・まあいいや。飯が俺を待っている。
そしてギルドについた。
うん。やっぱこの扉怖い。
そんなことしらん、と言わんばかりに、ついて即、扉を開けたクレアであった。やだ、イケメン。
まだ、朝早いというのに、沢山のハンター達が揃っていた。
「おお。お前ら早いな!よし!早速行くか!」
「「「特訓!!」」」
うわあ、団結力半端ないって。俺じゃ無理だわ。友達いないし、仲間もつくれんし。
「まてまて。」
見かねたクレアが間に入り始めた。
「私達はご飯食べるからちょっと待って。」
待ってくれるかなあ。そんなこと言ったらイジメが始まるかも。
「分かった。ちゃんと飯食えや。」
ハンター達は、笑いながら去って行く。
大丈夫かなあ。もう、あの人達としゃべれなくなるかも。
「許してくれたな。じゃあ行こ。」
許してくれた・・・だと?
前の世界だと、後でいいとか言われたり、いつでもできる。とか言われたりしそうなのに、この世界優しすぎ?・・・あっ、そっか。前の世界がヤバすぎたんだったな☆ふぅ・・・この世界に来て良かった。
「せやな。まあ、みなさんを待たせる訳にもいかんしはよ食うか。」
良い人達は待たせたくないと思うのは当然だ。前の世界でもそんな性格だったし。性格が悪い同級生だと?めんどうだが、付き合うしかないんだよ!
俺達は、テーブルの方に行き座り、ギルドのお嬢ちゃんに注文した。
「ここには俺らより小さい子もいるのか?」
小学生くらいの年の子がこんな荒くれ者しかいないギルドにいたから流石に気になる。ロリコンがやってきたらどうするんだろうか。まあ、俺もそのひと・・・やめておこう。
「ええ。あんたの国がどうだったか知らないけど、この世界は、ギルドで働いたほうが稼げるし、安全だからね。ロリコンいないし。」
さも当然のようにいってきやがる。まじかよ同士がいないのかよ。この世界で一番ヤバい奴は俺なのかもしれない。
「なに考えてるのよ。もうご飯来たわよ。」
おおう。ちょっとアレな考え事をしてたらいつの間に来ていたようだ。
「「ではいただきます。」」
俺達を見ていたハンターは俺達の真似をしていた。珍しい物には目がないらしい。ここからこの世界にいただきますの文化が誕生した。後に俺達はいただきますの偉人として語り継がれた。
俺達は5分で食べ終わった。流石に早すぎると思う。
「「ごちそうさま」」
俺達は皿を返し、ハンター達のところにいく。
「「さあ、行きましょう!!」」
「「「早いなオイ!?」」」
ワイらは普通じゃないからしゃあない。
戸惑いながらもハンターのみなさんはぞろぞろギルドを出ていく。
「それじゃあ行こうか。」
俺達は特訓の為に、かなりの人数でギルドを出る。
家族で転生した筈なのに KURISU @Kurisu0310
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