第6話 やることは違う筈なのに
へぇ。たくさんあるな。武器。
俺とクレアは武器屋にて、俺が使える武器を探していた。
「あんた、どんな武器使いたいの?」
「もちろんタガー。」
短剣とかそういう小さくて、素早さが活かせる武器がいい。
「あら?別に遠慮しなくていいのよ?大剣とか高価な物でも。男なんだし無理にとは言わないけど、剣で力押しっていうのもいいと思うわ。」
この俺、一瞬なら力でごり押しっていうのも出来る奴だ。だが、普段はそこまで力がない。故に。
「俺にはそんなもの、そもそも持って運ぶことができない。」
そう。持ち上げれないのだ。
資格がないとか、金がないとか、そういう問題じゃない。筋力が足りないのだ。男のくせに。
「なんかごめん。じゃあ、タガー、選びましょうか。」
こいつ、たまにすげぇ申し訳ない顔するから嫌だ。
「別にいい。まあ、初心者だし適当に・・・おっ?これいいんじゃないか?」
俺が手に取ったのは、他のとはたいして変わらない、普通のタガーだった。
「まっ、変に高いもの買っても、あんたには早いし、それでいいんじゃない?値段も20000G。普通ね。暫くしたら、買い替えればいいわ。おじさーん。これちょーだーい。」
ぼーっとこちらを見ていた店主に声をかける。
「おう。んじゃ、それもってこっちきな。」
俺達は店主のところに行く。
「ほんじゃ、20000Gな。」
俺は20000Gを渡し、タガーを受けとる。
「毎度。それにしてもあんたニホンジンか?それなら、ここで買わずとも、王都の武器屋で買えばいいんじゃないか?どうせ、金なんて、いくらでも稼げるだろ?」
めっちゃ日本人嫌われとる。なに?日本人はこの人たちを見下したりなにかしてんのか?
「残念ながら、ニホンジンでも、皆かなり強いって訳じゃないんです。僕は戦闘、そこまで得意っていうほどでもないんで。」
店主は少しだけ驚く。
「へぇー。ニホンジンは戦闘狂しかいないのかと思ってたぜ。」
だいたいあっとる。てか、日本人はもっとやばい。人の心まで簡単に攻撃できるし。うん。こっち来て良かった。
「まあ、そこのクレアちゃんも、まあまあ強いから、めんどくさいニホンジンがやって来ると思う。気をつけな。」
「分かりました。」
ここの人達は、日本人に対して本当に警戒している。他の異世界とは違うのか?
「じゃ、私達は帰るわね。多分、またお世話になると思うから、宜しくね。」
「おう。いつでも来な。」
俺達は店主に一礼して、店をでる。
「お前ら警戒しすぎじゃね?なにがあったか知らんけど。」
クレアにちょっと聞いてみる。ここまできたら、日本人はモンスターだぞ。
「仕方ないわ。日本人と会ってみたら分かるけど、あいつらが化け物って思ってしまうくらいのオーラ、ヤバイわよ。強者のオーラとかそんなんじゃない。闇のオーラだったり、光のオーラだったり、それでも、どちらでも感じるのが、なんていうんだろう。脅威を感じるオーラ。」
脅威・・・か。
闇は分かる。日本人なら当然持ってるだろう。光は、らのべでよくいる主人公のオーラだな。でも、脅威か。おそらくチートの事か?
「あなたからは・・・役に立たなそうなオーラを感じるわ。」
俺のチートは、本来最強のチートなんだがな。
「まあ、最近は戦闘とか全くやらず、だらだらしてたからな。」
もともと強い訳でもないけど。
「そう。まあ、私からしたら、そんなオーラが一番落ち着けるわ。なんとなく、戦闘を忘れれるような気がするし。他のニホンジンは、戦闘のオーラで、強いから安心してって感じがするのよ。私は戦闘から離れたいのに。」
あっ?じゃあなんでこんなにレベル上げしてるんだ?
「なあ、こんな道端で話すことでもないし、宿屋いかないか?」
「そうね。さっさと行きましょうか。」
俺達は宿屋に行く。
「これがあんたの分ね。」
宿屋についた俺達は、まず、金について話した。
計算が面倒なので、まず、10万にして、他は残す。そして、2万貯めて、それぞれ、取り分は4万になった。
「残りどうするよ?」
5万ほど残ったが、どうやって貯めるんだろう。
「やっぱお前が持っているか?」
「そうなるのかしら?あんたはそれでいい?私に取られるかも知れないけど。」
ちなみに武器は自腹で買うことにしたので、2万は減った。それでも、俺には4万残る。8日はしのげるし大丈夫か。
「別に気にしない。それで家を買うならそれでいい。お前の好きにしろ。」
「じゃあ、私が管理するわね。」
クレアは自分の鞄に金を入れる。
さて、聞きたいこともある。まあ、気になるだけだが。
「お前なんで戦ってるの?」
クレアは少しだけ暗い顔をする。
「父親を探してるの。連れていかれた。」
「もしかして、目的同じ?」
こいつも親探してるの?
「えっマジで?」
クレアは今までで一番驚いた顔をする。
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