第4話 自由に魔法を使える筈なのに

 俺はクレアが教えてくれた宿屋に入る。

 「すみませーん。」

 「あっこちらへどうぞ。」

 受付の人がいたのでそちらへ行く。

 「とりあえず一晩泊まりたいんですけど。」

 「かしこまりました。一晩ですね。食事はどうなされますか?通常は4000Gですが、朝、晩の食事付きなら、1000G追加で5000Gになります。」 

 一応、4000Gでも泊まれるのか。でも、武器とか買いたいけど食事無しはきついからな。5000Gにしとこ。俺も28000Gあることだし。これだけでも武器買えるだろう。多分。

 「なら食事付きでお願いします。」

 「かしこまりました。では、5000Gを頂戴します。」

 俺はクレアから貰った5000Gを渡す。

 「お預かりします。5000G丁度ですね。では鍵をお渡しします。お食事は食堂で、この券をお使い下さい。一晩なので、二枚、お渡しします。なくさないようにお気をつけください。」

 「分かりました。」

 俺は鍵と券を受けとる。

 206か。それで、夜にこの券で食堂で食事する。よし分かった。

 「では、ごゆっくりどうぞ。」

 俺は206室に行く。

 「ここが部屋か。」

 あんまり宿屋とか行ったこと無いけど、ベットがあって、机がある。まあ普通だよな。

 その時、ふと思い出した。

 「俺荷物ないからいつまでもここにいても意味がない?」

 そう考えた俺は、俺のチートはどんなものなのか調べる為に先ほどいた森に行くことにした。

 



 俺は森につき、とりあえずモンスターが居ないところで練習することにする。

 俺のチートは魔法と魔力を自由自在に操れる。

 俺は小さい炎を出す。

 「おお!すげぇ!俺の手からでてる!」

 ちょっと感激、というかだいぶ感激した。

 これが魔法。俺のイメージでどうとでもできる。

 俺は空に真っ直ぐとばす。

 そして、上手くいったと思ったら、炎を空で消す。

 こんなこともできるなんて、本当になんでもできるんだな。

 こんどは少しレベルをあげて、光線みたいなのを出す。

 この光線も真っ直ぐいった。

 これくらいなら余裕か。

 なら次は補助魔法。自分の素早さをあげて、走る。

 おおお!これは本当にすごい!めっちゃ速い!

 力もあげて思い切り跳んでみる。

 俺飛んでる!飛んでるぞ!

 まあ、重力は当然あり、地面に落ちる。

 高く跳んだせいで、落ちたらどうなるか想像もしたくない。

 やっべどうしよう。

 とりあえず俺は防御力をあげる。

 そして、とても無事とは言えない感じに着地する。

 「イッッッタァァァーーーイ!!!」

 ジンジンする。とてもジンジンする。

 なにかあるまではこれ封印しよ。

 治癒魔法で俺は主に足を回復する。

 本当になんでもできるんだな。

 「さて、ここからが大本命。かなりでかい魔法を使おう。」

 俺は宙に浮くイメージで浮き、手を空に向け、減っている魔力を増やし、その魔力を集め、固める。

 「せぇーーの!!」

 俺は魔力の塊を地面に叩きつける。

 その結果、それはもう。地響きがなった。

 「なになになに!?なにがおきたの!?」

 その地響きを聞いたクレアがやっていたらしい。 

 だかこいつ家に帰ったはずじゃ?いや人のこと言えんけど。

 「ちょっ!?シンキ!?あんたがやったの!?てかなんで浮いてるのよ!?」

 俺はゆっくり降りる。

 「ああ、降りて来るのね。降りて、倒れた倒れた!?」

 「お前驚きすぎな。」

 「誰のせいよ!なにがあったの!」

 魔力は無限に増えても体力は増えないらしい。俺は昔よく喧嘩をして、技術はある。けど今は部活意外じゃ外にでない、半引きこもりで体力はクッソ落ちてる。故に一回しか大きな魔法を使っていないが、それだけで疲れるらしい。

 一度に大量の魔力を使った影響だ。実戦で倒れる訳にもいかないから、小さい魔法を使いまくることにしよう。パワーより、テクニック重視の戦い方になるな。

 「あんた!真剣に考えてないでさっさと説明しなさい!」

 忘れてた。

 「すまんすまん。俺にはまあまあすごい能力があるんだ。んで、その練習をしてたんだよ。それですごい魔法を使った。」

 俺は本当にざっくりと説明した。

 「その能力って、ニホンっていうところからきた人特有の能力?」

 「あれ?知っているのか?俺もそこから来たんだが、他にもいるのか?」

 俺の異世界無双って訳じゃ無いんだな。まあ、俺の親も来てるくらいだし。てか早く探さないと。どこいったんだ?

 「ええ。いるわよ。ニホンジン。」

 うっっわ不機嫌。

 「なに?ニホンジンがなにかした?俺謝らんけど。」

 俺にそんな義務ないからね。謝る必要ないからね。

 「いいえ。そんなんじゃないけど、あいつらハンターになった時からめっちゃ強いのよ。たいして努力してないのに。強い武器持ってさあ?レベル低い内から高難易度の依頼うけるのよ?それですぐ達成するってどういうことよ。私そんな奴らに「君強いね。」って言われて仲間にされそうになったのよ。ふざけんじゃないわよ、嫌味かよ。私ただ強いやつ大嫌いなのよ。ちなみに、表に出してないけど、ハンターの皆もあいつらのこと嫌いよ。あなたはどうやらそうでもないようね。他だったら、大きな魔法使っただけで倒れないし。さっきのゴブリンくらい一撃で倒すでしょう。だから皆にはそういって仲間に入りましょう。目指すは打倒ニホンジンよ。あんなクソヤロウ見返してやるわ。あんた、これからいっしょにパーティー組みましょう。そうそう、さっきの技使わないでね。戦闘中に倒れられたらたまったもんじゃないわ。」

 やっべぇ。全然聞いてなかった。こいつ話なげぇよ、どんだけ日本人嫌いなんだよ。普通日本人はハーレム作ってイチャイチャするもんだろ?この世界の人にめっちゃ嫌われてんじゃん。

 「えっとパーティーだったか?いいぞ。今日だけか?」

 「いいえ、ずっとよ。なに聞いてたのよ。打倒ニホンジンって言ったじゃない。」

 あっさいですか。

 「こいつが話長いのがわるくないか?」

 小さい声で言う。

 「聞こえてるわよ。仕方ないじゃない。ニホンジン嫌いなのよ。ていうか、努力してないのに強いやつが嫌い。」

 「わかる。超わかる。」

 俺もついさっきまではそんな感情抱いてたもん。

 俺はテニス部だったけど、夜練ある時は毎回行って、普段もかなり練習したり、イメージトレーニングしてた。でも夜練行ってない奴の方が強いってどういうことだ。なんなら俺が一番声出してるのに、出していない部長が声だせだあ?ざっけんな!

 俺は、大きく息をつく。

 「やるか!」

 「おう!」

 俺とクレアの気持ちは同じものだった。

 「じゃあ、あんたのせいで来たゴブリンたち倒すわよ。」

 「うーーん?さっきよりおおいんだけど?」

 またあの死闘やるの?

 「じゃ、魔法でもなんでも使いなさい。やるわよ!」

 他の日本人だったらこの時点であいつら倒してるんだろうな。

 でも俺はそんな芸当できない。

 「しゃあ!!こいやぁ!!!畜生がぁぁ!!!!」

 俺は手数でとにかく倒しまくる。

 そして、俺とクレアは時間が空いたが、第二回戦を始める。

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