俺と幼なじみ姉妹の話

夏休みに入った。それと同時に梅雨明けも発表され、今日も雲ひとつない青空だ。しかしこれから先、連日のようにうだるような暑さに見舞われるであろう。




「そう言えばそーくん、彼女できたんでしょ?」


「うん。同じクラスの相沢優香あいざわゆうかさん」


「ひどい!聡にぃに裏切られたー!紗奈と結婚する約束したでしょ?」


「あの話は幼稚園の頃の話だろ!」


「そーくん、私とも結婚する約束してたのに・・・」


「由奈姉まで!」




同じマンションに住む幼なじみの山脇由奈やまわきゆな山脇紗奈やまわきさなの姉妹が俺にそう言ってくる。歳は俺から見れば、2人とも1つ違いで由奈姉が高校3年生で、紗奈ちゃんが高校1年生。姉妹揃って俺とは別の高校に通っている。


由奈姉は部活こそ引退したものの、大学受験が控えているため、夏休みはほとんど返上で朝から晩まで塾で勉強に勤しむらしい。一方の紗奈ちゃんも部活で忙しく、こちらも夏休みはほとんど返上状態だ。ちなみに2人とも弓道部である。




しかし俺に彼女ができたことに、2人は少し機嫌が悪そうに感じる。俺は「そういう2人こそ彼氏できないのか?美人姉妹だし男がすぐ寄ってくると思うけどなぁ・・・」と言ったが、2人は「女子校だからそもそも男がいないの!」と声を揃えて言ってきた。・・・そうか、悪かったな。




しばらくして、紗奈ちゃんは部活に参加するため、家を出た。由奈姉もしばらくしたら塾に行くらしい。そして俺はそんな2人を横目に、大好きなアイドルの握手会に出かけるのであった。

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