20話 雨上がり

 濡れた学ランはまだ乾いていなかった。

 制服のズボンはポケットの中まで水浸しだった。

 ワイシャツや肌着もアバターの皮膚に貼りついて重たい。

 VANSのスニーカーにも雨水が染み込んでいた。

 びしょ濡れになった靴下は足の指をふやけさせている。


 冷たくて、寒いはずだった。


 しかし、俺は目が覚めたとき、まず「暖かい」と思った。

 とくにアバターの肩から背中にかけて、人肌のような温もりを感じた。

 目を閉じたまま、自分の顔に手を当てる。

 眼鏡をつけている感触はなかった。

 後頭部の痛みは消えていた。

 物や色が多い場所でないことを願いながら、俺は目をゆっくりと開く。



 暖色系の照明を散りばめた空間、様々な形のテーブルや椅子が並べられていた。

 たくさんの絵画が壁を飾るインテリアは、美術館で開催される展覧会を彷彿とさせた。

 入口にはコーヒー豆やタンブラーが棚に陳列されている。

「深緑色の円に描かれた白い人魚のロゴ」の看板が、窓際の梁から吊り下げられていた。


 どこの店舗かはわからない。

 ただ、にいることだけはわかった。


 俺は一息ついて、自分のアバターの状態を確かめた。

 傷だらけだったアバターは、かすり傷ひとつ残っていなかった。

 痛む場所もない。


──おそらく紫藤が《リカバリーQ》で治してくれたのだろう。

──いまここにいるのも、彼女がタクシーか何かを利用して、運んできてくれたに違いない。


 手前のテーブルには、俺のスマートフォンとレンズにひびの入った眼鏡が置かれていた。

 学ランの上には、ダークカラーのスーツの上着がかけられていた。


「あっ、やっと起きた。気分はどう? 大丈夫? これ温かいから、とりあえず飲んで」


 木目模様のトレイを持った紫藤は、俺にドーム状の蓋の付いたカップを渡した。

 そして、L字型のソファに座って、俺のほうへ体1つ分距離を詰めた。

 人差し指でテーブルを2回叩いて、ダークモカチップフラペチーノのカップを掲げる。

 俺は顔に眼鏡をかけて、保温されたカップを持ち上げる。


 お互いに何も言わず、2人でカップを合わせた。



「なんとか生き延びましたね、紫藤さん。おかげさまで助かりました」


「私は全然たいしたことしてないよ。レキトくんの作戦どおりに動いただけ。むしろお礼を言うのはこっち。……本当にあのギルドからよく逃げ切れたよ」


 店内にいるNPCたちは、テーブルに置いたドリンクやケーキを飲み食いしながら、友達と談笑したりパソコンを打ったりしていた。

 誰もかれもが自分のやっていることに夢中のようだった。


 近くにプレイヤーがいる様子はない。


 俺はドーム状の蓋の穴に口をつけて、赤色のスマートフォンを手に取る。

《小さな番犬》はホーム画面で仰向けに転がって、「天気」のアプリを甘噛みしていた。


──このままゲームをプレイしつづけても、きっとあなたは苦しい思いをするでしょう。


 コーヒーを一口啜ると、アバターの頬に冷たい感触が蘇ってきた。

 全身の傷は完全に消えていたが、50人のプレイヤーたちに圧倒された記憶は鮮明に残っている。


──経験による実力差があることはわかっていた。

──ただ、目の力を使った1分間なら、まだ互角に戦えるとも思っていた。


 けれども、実際は完敗だった。

 あの状況で逃げ出せたのは、ただの奇跡としか言いようがない。


 今のままプレイしつづけたら、俺は間違いなくやられる。

 戦いの経験値をのんびり積ませてくれるほど、このゲームのプレイヤーは甘くない。

 5分後にゲームオーバーになって、NPCにさせられてもおかしくない。


 俺が今、やらなければいけないことは何なのか。


「あっ、また思い詰めた顔してる! しょうがないな、レキトくんは。なに悩んでるかはわからないけど、それ飲んでゆっくりしたら、『買い物』に行くよ」


「……買い物? いったい何を? 《5秒で配達デリバーフォン》を使えば、ネット通販で買った物をすぐ転送してもらえますよね?」


「そりゃあ君のだよ。こればっかりは試着しないと、サイズ感がわからないからね。

──そんなボロボロの格好で歩いたら、目立ってプレイヤーに狙われるでしょう?」


 紫藤はストローを手に取って、チョコチップのかかったホイップクリームをすくった。

 口の中にストローを運ぶと、整った顔を満足そうに綻ばせた。


 俺は学ランの袖に目をやり、制服のズボンへ視線を落とした。

 激しい戦いが続いたせいで、無自覚にも服装のことは二の次になっていたらしい。

 首の下から足首までナイフで斬られた跡があり、レーザー光線で撃たれた穴がいくつも開いていた。


「ここは『恵比寿ガーデンプレイス』のスタバ。向かいの建物の三越に行けば、眼鏡屋さんもあるみたいだし、品揃えには困らないと思うよ」



           ◯


 恵比寿三越の地下1階は、仕立てのいい服のショップが並んでいた。

 優雅な立ち姿を保った店員のNPCたちは、動くマネキンのようにオシャレな服装をしていた。

 店の前を通り過ぎると、誰もが「いらっしゃいませ」と上品に挨拶をしたり、にこやかに会釈をしてくれたりする。

 街を歩くNPCたちは様々な行動を取っていたのに、店員のNPCたちはみんな似たようなリアクションを取っていた。


「覚えてるかもしれないけど、お金のことはそこまで気にしなくていいよ。私たちのスマートフォンは、『ゲームが始まったとき』と『プレイ時間が1ヵ月経つごと』に、電子マネー100万円が自動でチャージされるルールだからね」


 紫藤はハンガーラックを漁って、ネイビー色のチェスターコートを取りだした。

 そして、華奢な手でコートと向き合うように持って、俺の顔とコートを交互に見比べた。


 前髪を上げた男性のNPCが手を合わせて近づいてくる。

「お探しの物はありますか?」と優しく声をかけられる。


 俺はマネキンの服を指さそうとしたが、紫藤が「装備アイテム」と珍しくゲームっぽい言い方をしたことを思い出した。

 買い替えたばかりの眼鏡をかけ直し、店内に展示されているアイテムを見回す。


 頭の中でコマンドを浮かべて、「」を持ってきてもらうことをお願いした。


「さすが察しがいいね。私もジーンズを買おうと思ってたよ」


「ジーンズなら多少傷ついても、ダメージ加工で誤魔化せますからね。服選びのコツは、『ゲームに役立てるかどうか』の機能性を考えること。

 これがコインを譲る代わりに約束した、ゲームで知っておいたほうがいい情報ですね?」


「そう! 『Fake Earth』は装備する服で防御力に差が出にくいけど、それでも服はプレイヤーが身に着けるアイテムの1つ。

 どんな物を装備するかで、戦いを有利にも不利にもできる。

 たとえば『ハイヒールを履けば、相手にスピードの遅いプレイヤーだと思わせられる』とかね」


 紫藤は人差し指を口に当てた。

 彼女のシャツは真っ白な襟を除いて、シアン色の返り血を浴びても目立ちにくい水色の生地だった。


 それから俺たちは色んな服を手にして、どんな服装がプレイヤーとして最適解なのかを議論した。


Q1.首を守る防具は「マフラー」と「スヌード」のどちらが適しているのか。

Q2.重ね着は何枚までが「防御力」と「素早さ」を両立できるのか。

Q3.街中で「スポーツゴーグル」は怪しまれないのか。


 各ブランドの店で試着しながら、お互いの考えをぶつけ合った。

 紫藤はNPCに紛れるのが基本だから、ある程度の「ファッション性」を重視した。

 俺はスマートフォンの警報でプレイヤーがバレるのだから、とにかく戦いに特化した「機能性」を重視した。


 そして、1時間にわたる議論の末、お互いの妥協点となる服装が決まった。


「うん、これなら格好いいと思うよ。できれば靴もこだわりたかったけど」


「『全身が新品なのは不自然』、『靴は動きやすくて、履きなれた物がいい』って結論でしょう? 汚れの少ない白シャツと靴はそのままでいきますよ」


▼ネイビー色のチェスターコート(6万2000円+税)

▼ライトグレーのニットセーター(2万900円+税)

▼厚手のヴィンテージジーンズ(5万5400円+税)


 紙袋を提げた俺は試着室に入り、買ったばかりの装備アイテムにすべて着替えた。


           ◯


 JR恵比寿駅にはオートウォークに乗って向かうことにした。

 周囲のNPCたちも動く歩道を利用して、左側で一列に並んでいた。

 幅はエスカレーター並みの広さしかないが、果てしない長さなので窮屈さは感じない。


 俺は片手をポケットに突っ込み、「ライムミント味のフリスクケース」を揺らした。

 真っ白な粒がケースの中で動き、涼しげな音が微かに鳴った。


「……『最後に買いたい物がある』って言うからさ、何を買うのかを期待してたんけど……なんでフリスクなの? ショッピングモールに来たんだから、もっとこうさ、ほかに何かなかったの?」


「俺にとってキーアイテムなんですよ、これは。気持ちを切り替えたり、集中力を高めるために、フリスクは欠かせないんです」


「ふーん、スポーツのルーティンみたいな感じか。同じアイテムでも、プレイヤーによって価値が違うのは、なんか面白いね」


 紫藤は細い腕を組んで、ジムのポスター広告を眺めた。

 服選びで弾んでいた会話は、買い物が終わってから、あっさりと途切れるようになっていた。

 列の先頭のほうを見ると、オートウォークの終着点までもうすぐだった。


 そこからJR恵比寿駅のホームまで3分もかからない。

 電車は5分に1本のペースでやってくるから待つ時間もない。


 俺と紫藤はプレイヤー同士。

 一時休戦の関係を保っていたが、共闘する必要のあるプレイヤーはもういなかった。

 紫藤はゲームクリアのコインを入手した。

 俺にゲームの情報を教える約束も果たした。


 彼女がこれ以上『Fake Earth』を続ける理由はない。


 別れのタイムリミットは刻一刻と近づいていた。



「いい服が買えたね、レキトくん。よく似合ってる」


「紫藤さんが選んでくれたおかげですよ。もっとも、こんな高い買い物は初めてなので、汚さないか緊張しますけど」


「10万円以上のお金なんて、ポンポン出せないもんね。今日は私もギルドから逃げるときのマットで40万も使ったし、ちょっと金銭感覚がおかしくなりそう」


「……別に問題ないじゃないですか。これからゲームクリアしたら、賞金1億円がもらえるんですから」


「ん? ゲームクリア? 私が? ……ああ、そっか。そういえば言い忘れてたね。──君に譲ってもらったコイン、実はゲームクリアじゃなくて、『』に使うんだよ」


 紫藤はあっさりとした口調で打ち明けると、俺の肩を軽く叩いた。

 ちょうどオートウォークの終着点に到着するところだった。

 俺たちは動く歩道を降りて、2人でJR恵比寿駅に向かった。

 ICリーダーにスマホ画面をかざして、自動改札を横並びで通り抜けた。

 3階の改札口から2階の山手線のホームに向かうエスカレーターに乗る。

 俺が先に進んで、紫藤は次の段に乗った。


「……すみません。最後に1ついいですか?」


「いいよ。ていうか、そんな言い方されたら、聞かないわけにはいかないし。君に譲ってもらったコインの使い道のことかな?」


「違います。もちろん気になることですが、それよりも優先すべき話があります」


 俺は紫藤の目を見つめる。

 左手をぎゅっと握りしめる。


――これからゲームで生き残るために、今の俺がやらなければいけないこと。

――凛子を現実世界に連れ戻すために、どうしても必要なこと。


?」


 山手線の駅自動放送が聞こえてくる。

 女性の音声アシスタントが、まもなく電車が到着することを告げた。


 俺たちが乗ったエスカレーターは、山手線のホームに着いた。

 しかし、俺は後ろを向いていたせいで、3階から2階へ降り終えたことに気づかなかった。

 VANSのスニーカーの踵を引っかけた。

 アバターが後ろに倒れそうになった。

 買ったばかりのチェスターコートが汚れることが脳裏をよぎる。


 だか、紫藤が俺の手をつかみ、転ばないように支えてくれた。


「それ、いい提案だね、レキトくん! 君は頭がいいし、《小さな番犬》は頼りになるし! 何よりめちゃくちゃ楽しそう!」


 紫藤は微笑んで、切れ長の瞳を細めた。

 華奢な手で俺の手を握った。

 アバターの頬はわずかに赤くなっていた。

 買い物のときよりも距離が近い。

 柑橘系の香水の匂いが鼻先に漂った。


 俺はアバターの胸に手を当てた。

 心臓の鼓動はいつもより速かった。

 息をゆっくりと吐く。


 そして、紫藤はコインを何に使うのか、質問するために口を開こうとした。



──! ! !!



 そのとき《小さな番犬》が激しく吠え始めた。

 近くにいるNPCがスマートフォンから顔を上げるくらい、音量の大きい鳴き声だった。

 赤色のスマートフォンは、ジーンズのポケットの中で振動した。

 俺は周りを見回して、プレイヤーらしきアバターを探した。

 ビニール傘を2本持った大柄の男性、無表情でスマホゲームをしている茶髪の女性、独り言をつぶやいているサラリーマン……。

 誰も彼もがNPCのふりをしたプレイヤーにしか見えなかった。


「俺の後ろに下がってください、紫藤さん。相手は俺たちがプレイヤーだと見抜いても、おそらくプレイスタイルまでは知らないはずです。あなたをサポート系のプレイヤーだと勘違いさせましょう」


「……本当によく思いつくね、レキトくん。でも、その必要はないよ。敵プレイヤーは近くにいない。──だって《小さな番犬》は私のせいで鳴いてるんだからさ」


 紫藤は手帳型のスマートフォンを持ち、斜め下にカメラレンズを向けた。

 彼女のスマホ画面には、俺の影が映っていた。

 親指でスマホ画面を叩くと、明るいシャッター音が鳴った。

《小さな番犬》の吠える声が大きくなった。



「このギアの効果は1分しか持たない。大丈夫、安心して。──《影で魂を縫ってソウル・ノット》」



 紫藤がギア名を囁いた瞬間、俺の影の縁にピンク色の点線が現れた。

 真っ黒な針が影の真ん中から浮かび上がり、ピンク色の点線を素早く縫っていった。

 ピンク色の点線が真っ黒になっていく。


 山手線のホームに電車が停まった。

 全車両のドアが開き、NPCの乗客たちが降り始めた。


 俺はアバターを動かすことができなかった。

 親指にどれだけ力を込めても、1ミリも曲げられなかった。

《影で魂を縫って》は「アバターの影の形を変えることができないギア」らしかった。


「ごめんね、レキトくん。君が手を組もうって言ってくれて、私は本当に嬉しかったよ。

 今日みたいにギルドから逃げたり、服選びで仲良く言い合いしたり、毎日一緒にプレイできたら、どれだけ楽しくなるだろうって何回も想像した。

……でもね、。この世界で交わした約束を守らなきゃいけないの。

 だから、レキトくんと手は組めない。こんな私を信頼してくれる君の手を、私の事情なんかで汚せないよ」


 紫藤は俺の前に立って、寂しそうな笑みを浮かべた。

 そして、後ろを振り返って、山手線の電車に乗っていった。


 発車ベルが鳴った。

 駅員が笛を吹いた。

 電車の扉は音を立てて閉まった。


 紫藤は俺を一度だけ見て、ダークカラーのスーツの背中を扉に向けた。

 全車両の扉が閉まり切ると、電車は恵比寿駅から離れていった。


《小さな番犬》が鳴き止んだ。

 赤色のスマートフォンの振動は止まった。

 アバターが全身で感じ取っていた重さは、電車の発車と同時に消えてなくなっていた。



 紫藤を乗せた電車が去った後、山手線のホームから見える空一面はオレンジ色だった。

 土砂降りの雨が嘘だったかのように、高層ビルの窓から道路の水たまりまで、夕焼けの光に包みこまれていた。

 高層ビルの隙間に太い線が空に伸びているのが見えた。

 目を凝らしてみれば、太い線の中に7本の細い線が並んでいた。


 茜空に虹がかかっていた。

 赤いグラデーションの虹だった。


 夕焼けに照らされた虹は、5分後には消えてしまいそうな儚さがあった。

 切ない美しさがそこに宿っていた。

 俺しか見ていないのは、もったいないと思わせる景色だった。

 この目で見た感動を、誰かに共有したかった。


 だが、雨は上がった。

 暗かった空は明るくなった。


 紫藤はもうそばにはいなかった。



 俺はスマートフォンを持って、カメラアプリを起動した。

 目の前の夕焼けにかかった虹にレンズを向けて、親指で撮影ボタンを押した。

 小気味いいシャッター音が鳴った。

 画面の左下にあるサムネイル画像が切り替わった。

 サムネイル画像を触ると、夕焼けと虹の写真が画面いっぱいに映しだされた。


 カメラで写した夕焼けと虹は、スマホ画面の中でも美しかった。

 いま目にしている風景をミニチュアにしたような再現度だった。

 太陽に近くになるにつれて、オレンジ色の雲が明るい黄色になっていく様子も、そっくりそのままだった。


 しかし、俺は「」と思った。

 心を動かされた部分が抜け落ちているような気がした。

 色も形も奥行きも同じだった。

 本物なのに偽物に見える。

 どこがどう違うのか、何度見比べてもわからなかった。


「……思い詰めた顔してる、ってまた言われそうだな」


 俺は親指を動かして、右下のゴミ箱のアイコンを叩いた。

 夕焼けと虹の写真は画面から消えた。

 代わりに東京駅赤レンガ駅舎の写真が表示された。

 ホーム画面に戻って、「写真」のアプリを起動する。

 撮ったばかりの写真を見つめながら、ゴミ箱に入ったデータをすべて削除した。


 青虫色の電車がホームの反対側へ減速しながら到着する。

 ガスが抜けたような音がした直後、電車の扉がホームドアとともに開いた。

 乗客のNPCたちが、すべての扉からゾロゾロと降りてきた。

 お互いに一定の距離を保ちながら、改札のある3階行きのエスカレーターへ乗っていった。

 周りをきょろきょろと見回す者がいても、立ち止まる者は1人もいない。

 それぞれの歩幅で、全員が前へ進んでいた。


 停まった電車にNPCたちが順番に乗り込んでいく。

 発車前のベルが鳴りはじめる。


 俺は片手をポケットに突っ込んで、ライムミント味のフリスクケースを引っ張り出した。

 新品の袋の封を切って、親指で蓋を開けた。

 口の中にフリスクを一粒放りこんだ。

 奥歯でガリッと噛み砕く。


 そして、雨上がりの景色に背を向けて、紫藤とは反対方向に1歩前へ踏み出した。



【遊津暦斗(初心者)】

 対人戦績・0勝1敗1分け(逃亡回数:1回)


〈構成ギア〉

・《小さな番犬》Lv5

・《対プレイヤー用ナイフ》

・《対プレイヤー用レーザー》


〈ギルド・仲間〉

 ソロプレイ


〈装備アイテム〉

・ネイビー色のチェスターコート

・ライトグレーのニットセーター

・新品の眼鏡

・スマートフォン

・VANSのスニーカー

・星印のエナメルバッグ


〈所持金〉

・電子マネー85万636円+現金2万4573円

(洋服代 −14万9364円)


〈プレイ時間〉

 3時間46分


〈コイン獲得数〉

 0枚


〈クリア回数〉

 0回


〈称号〉

 奇跡の初心者


〈ゲーム進捗率〉

 0.1%






【あとがき(次回のお知らせ)】

第1章「最悪の雨」をお読みいただきありがとうございます。

次回より第2章「遊津暦斗の誕生日」が始まる予定です。


「小説家になろう」(1/30時点で25話連載中)にて、第2章が完結でき次第、随時更新させていただきます。



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