1日目 旅立ちの日
1日目
リサは家に帰ると、出発の準備を開始する。
今日の天気は晴天。窓の隙間からは、ぽかぽかと陽光が部屋の中に降り注いでいた。
先週はずっと雨だった。「運が良いのね。私の日頃の行いが良かったからかしらね!!」
「必ず、今回やってきたチャンスを見逃すことなく上手につかみとって、魔物を退治してみせるわ」リサはやる気満々だった。
リサは1度きりの人生なんだから、人生を楽しむ為にも、何事にも絶対チャレンジしようと決めている。「しなかった。」という後悔の方が大きい事をリサは分かっていた。
リュックサックを用意する。
「準備をすると言っても何を持って行けば良いのかしらね?」リサはこの村からは1度も出た事が無かった。
とりあえず、服装は、白Tに短パンで、ペタンコサンダルを履いて、小さな可愛いリュックに現金1万円入った財布と、水が入った小さな水筒、化粧ポーチ、歯ブラシやタオルを入れた。
お腹が空いた時用にナッツ類や、木の実、パンも入れた。遊びにでも行くかの用にワクワクしながら詰め込んだ。
リサには、旅立つにあたって他にも運が良い事があった。スタート地点が家のすぐ横にあったのである。
「出発地点が近いなんてかなり運が良いわね。私に魔物退治しなさいと言ってるようなものじゃない。ラッキーでしかないわ。」
今まで、道がある事は知っていたけど、農民仲間からは、行き止まりになっていて途中からは通る事が出来ないと教えられていた。
ところが、魔物退治をする事を決意した時に、村1番の力持ちのマゼルから、家のすぐ横にある道が、実は勇者にる者にとっての、スタート地点である事を教えて貰った。
スタート地点からは、長い一本道がひたすら続いており、その道をひたすら歩いていて次の村まで行くルートになっていた。
リサは準備がおわると、畑で仕事をしている農民仲間に、「行ってきます。」と元気一杯挨拶をしてから、意気揚々と出発した。
どの位い歩いたであろうか、ゴブリンが1匹襲ってきた。リサはどうする事もできないまま、弱すぎてゴブリンの1撃を喰らうとバタンと倒れて死んでしまった。
呆気なく死んでしまったと思っていたが、数時間後、目を覚ますと、怪我もなく、痛くも痒くも無かった。辺りを見回すと、そこは最初の出発地点だった。どうやら、殺られても死ぬ事は無いらしい。殺られてから数時間後に、出発地点にもどされるシステムになっているらしい。
魔物退治やった事ないからやってみる 東雲三日月 @taikorin
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。魔物退治やった事ないからやってみるの最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます