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何が起こったか分からない。視界は目隠しのようなもので覆われていた。
「プレイヤー258、術後良好です」
「では山下さん、キングへの昇格おめでとうございます。これであなたも晴れてキングの一員です」
「おめでとうございます。ですが、体調が安定するまで暫くは私達があなたの健康を管理させていただきます」
何人かに囲まれているようだった。手足にも力が入らない。頭がぼーっとしている。何か大切なことを忘れているような。
「あぎゃあ」
言葉も上手く喋れない。
「GP20追加」
「はい」
手術中のようだった。また、頭が痺れるほど強烈な眠気に襲われた。
目が覚めた。見慣れた白い通路だった。あのゲームが行われた廊下だ。
だが、何か違った。変な違和感から不安が生まれていた。
番人が着ていた、あの黒のワンピースを着せられている。壁には二メートル程の槍が立て掛けてある。
「あぎぎ」
口も回らない。
「こちらゲームホスト。山下さんキングへの昇格誠におめでとうございます。なお一層のご活躍期待しています」
意味が分からない。
「あぎゃらがあぁま」
解放してくれよ、と自分では言ったつもりだったが言葉にならなかった。これでは黒の番人と大差ない。両親はどうなったのだろうか。ゲームをクリアしたらキングに格上げのはずだ。さっきのアナウンスもそう言っていた。
不安が確信に変わっていた。
確かにキングには格上げになったが、ゲームからは解放されないのだろう。今度は黒の番人の役回りか。
「えっえっっえっ」
顔にはめられた白い仮面の目から涙が落ちていく。
「えっえっ」
勇輝だった黒の番人は、壁に立て掛けてある槍を握った。そしてその槍を思い切り自分の胸に突き立てた。
ガーディアン・ゲーム 板垣浩一 @1tagak1
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