お漏らし事件


 大観覧車を降りると、ジリアンとアマテラスさんが待っていました。

 興奮気味のジリアン、どうやら横揺れするほう――ルナパークの観覧車は普通のゴンドラと横揺れするゴンドラがあるらしい、作者――のゴンドラに乗ったようです。


「ねぇ、上から眺めていたのだけど、ジェットコースターがサイクロン以外にもあるのよ!どれも乗ってみたいけどチケットは一つしかないわ、どちらにする?」


 ジリアンは次はジェットコースターと決めているようで、キャロラインには、『どのジェットコースター』しか、選択権がないようです。


「もう!ジェットコースターね、そうね、ここはやはりサイクロンよ、ゲストの方には、有名な方に乗っていただかなければ」


 アマテラスさんが、

「チケットなら私が提供するから、二つとも乗りませんか?」

 と、いってくれましたが、キャロラインが、

「嬉しいですが、やはり私たちに、任せていただけませんか?」

 アマテラスさん、心なしか感心したようで、

「それは失礼な事をいいましたね、では『ホステス』さんに、お任せいたします」


 四人はサイクロンと呼ばれるジェットコースターに……

 乗りたいといった二人ですが、実は乗ったことがありません。


「ジリアン、私、どきどきする、白状するけど初めてなのよ!」

「私も……」


 サイクロンは木造、ギシギシときしみながら。坂を上っていきます、もうこの時点で二人は緊張しています。

 そして……

 二人はあらん限りの悲鳴をだして、泣き出しています。

 

 サイクロンは、ギシギシと横揺れしながら、さらに上下し、キャロラインとジリアンの悲鳴を撒き散らしながら、やっととまりました。

 放心状態の二人ですね。


 キャロラインが真っ赤な顔をしながら、セシリーさんに耳打ちをしています。

「アマテラスさま、売店に行ってきます」

 このニューイーグルのルナパークでは、売店で服や下着も売っているようです。


 一応、水しぶきを浴びるアトラクションもありますので、着替えなども用意されているのです。

 どうやらキャロライン、余りに怖かったのか、少しばかり『ちびった』ようなのです。


 それを見てアマテラスさんが、

「私たちも行かない?」

「……」

「大丈夫よ、私たちは『仲間』でしょう、アクシデントがあったときは力を合わせなくっちゃね」


 アマテラスさん、ジリアンを手を握ると、

「セシリーさん、待って!私たちもいくわ!」

 と、声をかけていました。

 ジリアンもキャロライン同様、真っ赤な顔をしていました。


「ジリアン、貴女も……」

 うなずくジリアン、

「怖かったわ……でも、内緒にしてね」

「当然よ、このことは死んでも喋らないと誓うわ、二人の秘密よ!」

 

 突然にジリアンが、

「ねぇキャロライン、ウイッチにはどうすればなれるの?」

「なりたいの?」

 うなずくジリアン。


「ロリータ課程は編入できないけど、このままベティ女子スクールに進学して、メイド任官課程に入るのが一番確実よ」

「私はそのままメイド任官課程に上がるのだけど……ジリアンなら、きっと受かるわ、とても綺麗だし、私よりも賢いもの!」


「私、アマテラスさんにお姉さまになってほしいの、ずっとずっと側にいたいの」

「こんなことになって、アマテラスさんには知られてしまったのよ、それでも優しく気を使ってもらったの」


「手をつないでいただいたとき、お姉さまがいれば、こんな感じなのだと思ったの、だってそうでしょう、粗相をしたのに……」


「私、がんばる!」


 セシリーさんが、子供用のショーツなんて買ってきましたが、二人の会話を聞いていたようです。

「ジリアン、望みが高いわね、でも努力すれば、メイド任官課程に受かると思うわよ、容姿のほうは大丈夫だから、それよりも早く履き替えなさい、かぜを引きますよ」


 ショーツを渡され、あわてて更衣室に入った二人でした。


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