第三章 コニーの物語 コッペハウス
メイド任官課程生徒の夏休み
コニー・アルバーンの母親、ハーパー・アルバーンはテラのブラックアフリカナーキッド領域管理官、側女である。
ベティのメイド任官課程生徒であるコニーは、母親の仕事の関係で、必ず任官しなければならず、生徒といえど扱いはメイドなみの特別待遇。
そんなコニーの夏休み、母親は忙しくあまりかまってくれない。
自宅のマンションでひとりぼっちのコニー。
そこでバイトでもしようとするが、メイド任官課程の生徒をおいそれとは雇うところなどない。
* * * * *
「ねぇ、アルバイトを探しているの?」
久しぶりに自宅に帰ってきた、母親のハーパーが声をかけてきました。
ベティ女子スクールの、メイド任官課程六回生のコニー・アルバーンは、夏休みをもてあまして、アルバイトなどと考えて、あちこち探したのですが……
「ベティのメイド任官課程?申し訳ないが、不採用とさせていただきたい」
全て不採用になったのです。
理由は簡単、メイドハウス管轄のベティ女子スクール、ましてメイド任官課程の生徒に何かあれば、あとのとばっちりが大変、何かなくても、待遇などの経費が他のバイトの比ではない。
事実、ベティでも、一般課程の生徒なら、採用するところはあったのです。
ベティ女子スクールは超エリート女子校ですが、上流の子女の学校ではなく、学費無料ということもあり、かなり庶民的な生徒も多く、潰しがきくのです。
なにより、なんとか手の届くお嬢さん、毎年卒業後、すぐに結婚する生徒が何人かおり、管理官府の職員やメイドハウスの事務員が、慢性的に不足する事態に陥っているのです。
その上に近頃は、メイドの任官拒否も、二三年に一人は出てくる始末、その原因を内密に調べてみると、夏休みに恋人ができ、結婚を誓ったようです。
ベティ女子スクールにおいては、そのような任官拒否が、他の八年制高女より多いのです。
他校では、余程のことがない限り、任官拒否などありえません。
開校以来、一人もいないところもあるのです。
一昨年には、彼氏とエッチなどしてしまい、退校処分となった生徒がでてしまったのです。
メイド任官課程の生徒であったことで、大変な騒動となり、ミコさんがその生徒を、相手に下賜する形で決着したわけです。
相手の勤めていた会社は、メイドハウスへの出入りを永久停止、当然ナーキッド関係も三ヶ月の取引停止、かなりの損失をこうむったわけです。
まぁ相手の男は、その会社を所有する家の御曹司だったので、なおさらにメイドハウスが怒ったといわれています。
そんなことがあり、まずはメイド任官課程生の、バイト採用は皆逃げ腰というわけです。
「私を雇ってくれるところがないのよ」
「まぁ、そうでしょうね、一昨年の一件で、あの会社潰れかけたし、ベティも他校から、かなり馬鹿にされたと聞いたわ」
「当時の校長は辞表を書いたらしいけど、セシリー・ノウルズさんの意向らしく、惑星世界管理局の教育CRTが握りつぶしたらしいわね」
アルバイトは出来そうもないと聞いて、がっかりしたコニーでした。
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