やはりお洒落なウェアが必要です。
……それにしてもクイーン・ビーって忙しいわ、全ての学校行事に呼ばれるのね……
……でも歴代のクイーン・ビーはこなしているのよね、私だってこなしてみせる!……
……ミコ様のご寵愛を頂くためには、やり遂げて見せるわ!……
……この後は、ホーライ―シスターズの春のリーグ戦よね、今年もネットボール!……
……去年はクイーンマーガレットスクールにボロ負けして、悔しい思いをしたけど、まさかクイーンマーガレットが、優勝するなんて思わなかったわね……
……今年も優勝できると踏んでいるようだけど、今年はベティが勝つのよ!……
「クイーン・ビー、もう春のリーグ戦の準備なのですか?」
「去年はボロ負けだったでしょう?ネットボールといってもバスケットの事、アメリカがバスケで負けるなんて許されないわよ!」
「クイーンマーガレットは、ネットボールなら負けないと考え、今年も指定したのよ!」
「それはそうですが……」
「だから今年は、全校生徒の中から有望な生徒を集めて練習するのよ!」
と、クイーン・ビーの一言で、ベティは運動神経の秀でた生徒を集めて、猛練習を始めたのです。
八年制高女の体育のチームスポーツは、次の競技が推奨されています。
ネットボール、ソフトボール、フットサル、アクアゲーム、どれも女性に配慮された競技です。
このほかにも個人競技なども盛んですが、体操競技のような美術点や芸術点はありません。
勝敗が明確なことが、第一なのです。
ネットボール競技専用のワンピースを、カラフルな物に新調したのが、選手のやる気を引き出したようです。
凡そ八年制高女ではあり得ない、ミニスカートをはきたいばかりに、レギュラーを目指して、猛練習に励むようになったのです。
やはりそこは女学生ですね。
……いままで、野暮ったいウェアがネックだったのね、去年気づくべきだったのよ……
……クイーンマーガレットは、セクシーでかっこいい服だった、あれでやる気がでたのでしょうね。
一昨年とは別次元の強さだった、でも今年のベティのウェアは百点よ!……
少しばかり、違うような理屈ですが、ミニスカートをはいて、目立ちたいのは、確かなのです。
八年制高女のリーグ戦など、他校の交流試合では、OBが招待されることが多いのです。
去年はアリシアさんが、アナスタシアさんとともにやってきて、クイーンマーガレットの応援に誰もいないために、アナスタシアさんが、クイーンマーガレット側に座り応、援したことが、勝敗を分けたのが本当の理由と思われます。
なにせレディズメイド、ハウスキーパーの次席、愛人でもありますからね。
このころには愛人というものが、どのような存在かは女学生といえど知っています。
感受性の強いお年頃、感激したようで、奮起し劣勢といわれていたクイーンマーガレットが勝ったのです。
小娘のようにアナスタシアさんが喜び、その日の晩餐にチームを招待したのです。
余程楽しかったようで、かなり宣伝したようなのです。
その為か、秋のトーナメント戦には、かなりの寵妃さんたちが観戦にやってきました。
おかげで参加選手のうちの、一般課程の二人ほどが、特定関係人の推薦ということで、奨学生となり、そのうちの最上級生だった一人は、今年メイドに任官したわけです。
このとき、試合のビデオがハウスキーパー事務局に提出され、推薦された本人の映像を、『百合の幹部会議』で映し、その結果、二人の奨学生が承認されたのです。
この場合、お墨付きですから、メイド任官は確実です。
この話、公表はされていませんが、別にかん口令も惹かれているわけではなく、なんとなく噂の範囲で八年制高女には広がったのです。
そこへアリシアさんが、入学式に来賓としてやってきて、はっぱをかけていったのです。
「今年もネットボールと聞きました!勝ってよ、カナダ女に負けるなんて恥ずかしいわ!」
「もし勝ったら、目立った人は私が特定関係人として、奨学生に推薦してあげるわ!」
この一言もあり、新調した競技服のセクシーさも手伝って、レギュラーになろうと、皆が猛練習をしているわけです。
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