第15話潜入開始!②
僕たちが向かっている出身校の小学校は丘の頂上にある。到着するためには、自転車なら暴走しかねないくらいの急坂を上らなければいけない。よく毎日、毎日6年間も、上っていたものだ。おかげで体力はついた……? かもしれない。
さらに、小学校の周りには木々が生い茂り、裏山もあった。小学校見える景色は見渡す限り、森、森、森まさに自然に囲まれた場所だ。
「ちょっと、この坂キツイです・・・・よくこんなの・・毎日登校できましたね」
彼女がついに音をあげはじめた。そんなに、体力的に弱い方なのだろうか?
「もう少しで階段があるから頑張って」
そう、励ますと彼女は、足を止めて「……ちょっと‥いっかい‥休憩しませんか」と相談してきた。
僕はまだまだいけるが、仕方ないので足を止めた。
「はあ、はあ、加藤さん体力あるんですね」
いや、お前が体力なさすぎるだろう!とツッコミたくなったがやめた。しばらく、周りを見渡すとすると、ある懐かしい花を見つけたので手に採ってみた。
「何ですか、花なんか採るなんて加藤さんらしくないですねーあ!もしかして、私にくれますか?」
「違うよ!これはツツジの花だよ。ラッパ状の花びらをきれいに採ると花の蜜が吸えるんだよ。小学生のころよくやったね。やってみる?」
すると彼女は眉をひそめて「やりません」と言ってきた。どうしてだろうか?おいしいのに
僕はそのまま花の蜜を吸う。懐かしい甘さが口に広がる。
それを見ていた彼女が「加藤さん、意外と野生なんですね」と言って突然歩き始めた。
「待ってよ。普通にみんなやってることだと思って‥茎とか食べてなかった?」
「食べてません!」
なんだか、彼女の歩くスピードが速くなった気がした。
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