第6話トレーニング①

自動車は嫌いだ。

田舎だから、移動手段が少ないために運転をしなければいけないことは分かるが、運転していれば、どんなに用心深い人間でも必ず事故に遭う。

遭わない未来はない。なぜなら、他人の未来が見えるから。

そして、今まさに、ランニング中に後ろからぶつかった後であろう自動車を横目に走っている。こんな目に遭いたくないから家から駅までの通学は、自転車で通っている。そもそも、人を殺してしまうであろう巨大な鉄の塊を運転しているのがどうかと思う。

そんなことどうでもいいが昨日、彼女から連絡があり、彼女の午後のバイトが終わり次第また会うことになった。彼女は嫌がったが、またゲーセン跡地で会うことにした。

今日、午前中は企業に提出することになるエントリーシートを書く必要があった。と言っても能力を使って未来のエントリーシートを書き写すだけだが。

エントリーシートも書き終わり、待ち合わせまでの空き時間にランニングしている。

ランニングは好きだ。走ることで日々の不満や、心配も整理できる。

彼女に関する未来は未だに見えてこない。だから、これからどんなトレーニングをするのか?果たして成果が上がってくるかも分からない。不安と期待の気持ちを整理するつもりで走っている。

ランニングを終え、準備し時間どうりに着く様に待ち合わせ場所に向かった。

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