第5話始まりの日④

どうやら、彼女の休憩時間が終わるらしく、最後にどうしても気になることについて相談してみた。

「僕が見た未来では、君はいなかったし、君の未来も見えなかった。どうしてだろう?」

彼女は少し考えこんだ後

「実は私も、先輩の過去はここ数日ぐらいしか覗けなかったんです。他のひとは、生まれてから今まで覗けるのに、どうしてかなー」

「分からないよね…」

「もしかしてですけど、先輩は能力のコントロールできてませんよね?私はある程度コントロールできるのでその差のせいかもしれませんね」

つまり、彼女の能力が上回って妨げとなり、彼女に出会ってからの未来が見えていないだけと言うことなのか?

確かに、未来と確かに話を聞く限り彼女の能力と俺の能力の機能は真逆だが、人に触ることで見えるから同じ点も多い。

「そうかもね…」俺は、自信なさげに言った。

「良かったら、能力がコントロール出来る様に一緒に訓練しませんか?そしたら、私の未来も見えるかもしれませんし」

彼女がやってきたことが必ずしも役に立つかは分からないが、もしコントロールできれば、他人に触れるたび未来が見える煩わしさから開放される。ならば、やってみる価値はあるかもしれない。

それに、未来が見えず不安定な状態はこれ以上ごめんだ。

「そうしようかな。それより、シフトの時間大丈夫?」

「あ!忘れてました。危なかった~。初日で遅刻するのはまずいですからね。急いで、連絡先だけ交換して後から会う日決めましょう」

連絡先を交換してそのまま解散した。その後もシフトが彼女と合わずその日はいつも通りバイトをしてその日は終わった。

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