7話:完全主観モノ
―――がちゃり。
「し、しゅ、すっ、すっっごーーい!!! 本当に
「――ああ」
「これってさ?
「――だとしたら
「だが?」
「それでは、俺が
「えっ!?」
魔王と戦いたい、って
まぁ、
「ラヴ!」
「!? は、はい?」――な、なによ、急に。
「
「ああ~! やっぱり、魔王、
当たり前、か。
でも、少しは
この
「奴を
「え!? どういう
「そして、俺も見るな!」
「え? えーっ!? な、なんでよ!」
見てはいけない?
魔王を? 風雅も?
なんで?
なんで
「ドグラマグラも俺も、
目を閉じ、耳を
「ちょっ、ちょっと~! そんな
「なら、――5分、だ!
「え!? ど、どーやって?」
「――今は
――おかしい。
まるで、
この
なにか、なんかしらの
つまり、――
それなら、――
――あたしが取る
「分かったわ。風雅の好きにしてちょうだい……」――
あたしが――
「――物分かりがいいな。すまない、5分だ。5分間だけ、君を一人にする。必ず、終わらす。だから――」
「……待ってる」
「――……」
――の
300秒の間だけ、ラヴをいないものとする!
―――
パンパンパン!
玉座にあって
現れたな、
待っていたぞ。
「
「城にあった余の
「――城にあった余の
ドグラマグラの
「……なにをした?」
なにかしたではなく、なにをしたに変わったな。
そう、――
――それでいい。
そして、――
――
その柘榴を思わすお前の左目。
ああ、断じてお前は
―――
俺の
――少なくとも、そう見えた。俺にもラヴにも。
にも関わらず、
お前の姿を
この二つに共通しているのは、
お前を観測する者、俺とラヴ。
お前は俺とラヴを観測し、俺はお前とラヴを観測し、ラヴはお前と俺を観測し得る。
この時、お前を見失う観測者が一人だけ存在する。
――それは何よりも、お前自身。
お前自身の観測、
―――
権能の
ラヴをこの場から
俺はお前を、お前を俺を、互いに見るしかないこの限定環境であればこそ、攻略の糸口が見付かる。
それが、奴の左目。
奴が権能を発現する時、奴の左目はその権能の効果にある者の左目と置き換わっている。
死にゆく俺を見守るラヴの目が赤かったのは、泣きじゃくったからではない。少なくとも、左目のそれは、泣き
物理を伴うのであれば、俺自身が目を
奴の左目を俺の
権能を使わせる前に倒す、これが一番。
だが、それは無理な話だ。
今、俺が
――俺本人なのだから。
ああ、既に使われていたよ、奴の権能を。
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