日本史でおなじみのイエズス会宣教師、フランシスコ・ザビエルが戦国時代の北九州に到来した! 架空のNAGASAKIを舞台に、ザビエル始め宗教家たちを商人化、大名を任侠化して綴るトリッキーでわかりやすい日本キリスト教史絵巻!
というわけで、あれこれ大変な戦国時代の長崎inイエズス会のお話をドラマ化したのがこちらの作品です。
歴史物に限りませんが、登場人物をどう際立たせるかは書き手の一大テーマですよね。そして著者さんが打ち出したひとつの解が、擬人化ならぬ擬職化なのです。これによって各キャラの立場が整理されてわかりやすくなりますし、デフォルメが効かされることで、彼らが演じる物語が明確に浮き彫られることにもなります。
もちろん、奇策は成功してこそのものなのですが、こちらはまさに成功例です。ひと言で言い切ってしまえば、おもしろい!
島原の乱まで続いていく北九州の宗教事変、その始まりを楽しく学びましょう。
(「幕開けはフルスイング!」4選/文=髙橋 剛)