ダブり

 5月下旬の中間テストが終わった。テスト前の一週間は暗記地獄で脳内がオーバーヒートしそうだったのだが、ある教科だけはすんなりインプットされ。


「本藤君!世界史95点って凄いね」


「いやいや…」


「頭いいんだね!」


「いやいやいや…」


 言えないそんな可愛いチワワのような目の子にこの結果に裏があるだなんて…


 学校によって違うのだろうが、日本史、世界史の社会科授業は一年生と二年生と分けて授業を受ける。前通っていた学校は一年生の時は世界史を学んだのだが、ここでミラクルが起きる、転校して来たこの学校と互い違いだったのだ。


 しかし、良いことばかりではない…

 本藤!放課後職員室に来なさい。これから始まる日本史の個人授業…最初は日本の地名の暗記だった…滋賀県って何処だったっけ…


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