第2話 宙からの来訪

 夢を見た。

 光溢れる中に銀髪の天使のような美少女がこちらを見て微笑んでいた。

 体はぽかぽかと居心地が良く、とても動く気は起きない。

 しばらくそうやって微睡んでいると段々と女の子が近づいて、何事か話すと俺の唇にキスをして去って行った。




 「良い夢みたなあ」


 少し背伸びをするといつも以上に体の調子がいい。

 まるで体が一から作り直されたかのような爽快な気分だ。

 今ならこれから残業をやれとうちの嫌味な上司に言われても許せる気がする…いややっぱり残業は嫌だわ許せないわ。


 そんなことより、さっきの光は何だったんだろうか。

 彗星に願い事をしていたら彗星が墜ちてきたような気がしたんだが…


 うん!きっと酔いすぎたんだなあ!結構酔っていたし!体には何ともない…し……?


 落ち着いて見ると腕が深い綺麗な青色の謎の金属により、覆われていた。

 体の方も見てみると腕だけでなく、体全体が謎の金属に覆われ、肌が露出している部分が全くなかった。

 叩いてみたらカンカンと金属同士がぶつかり合う音がする。


 「イヤアアアア!!!ナンデ!ナンデ!体がロボットみたいに金属になってるの!?ナニコレェ!ナニコレエェェェ!!!」


 訳わかんない!何で全身金属なの!?彗星に願い事したから?願い事したからなの!?

彼女欲しいってサンタクロースに願い事するような幼児のように30代のオッサンが純粋に願い事したからこうなったの!?あんまりだ!あんまりだよ彗星さあああん!!



 

 少し経ったら人間流石に落ち着いてくるものである。

 まずは、冷静に現状把握に努めねばならない。


 彗星に願い事→彗星墜ちてくる→体が全身金属に覆われる→今ココ!


 流石に訳がわからない。

 彗星様は、俺に地球では彼女が出来ないから地球外生命体になって宇宙人の彼女を見つけろと言っているのだろうか。


 何とか金属が剥がれないか試してみるも全く脱げそうもない。

 そこら辺にある石やコンクリートに体をぶつけてみるも傷どころか体に衝撃すらなかった。

 無駄に高性能な金属である。


 暫くの間何とか格闘していると突然脳内に軽快音が鳴り響いた。


 ピロリロリンッ!


 同期率が100%に達しました。


 これよりナビゲーションシステムが起動します。


 Hello Master!!ニューワールドへようこそ!!(◍˃ ᵕ ˂◍)


 その時から世界(日常)は崩壊し、新しい世界(日常)が始まるのだと感じた。


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彗星から生まれた怪人 @rupan

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