迷う鳥

遠くの国から

さらに遠くの国へと

渡っていく鳥

強い風に押し流されて

見知らぬ場所へ

舞い降りる


誰もが

何かに迷っている

未来を知る人がいないように

風の流れを

知ることのできる人も

またいない


何の確信も

予感すらもないまま

ただ先へ

向かうべきと決めた場所に

ただ向かっていく

その先に待っているものに

期待を持って

不安を

押し殺して


あの鳥は

どこへ向かったのか

はるか先を行く

初めての

渡り鳥は


誰もいない島に

舞い降りて

また飛び立つ

僕ら

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