ここにいる

あの日

別の選択をすれば

今とは違う今が

あったはずだ

もし

あの言葉を口にできたら

少しでも手を伸ばせれば

終わりの寸前に

ほんの少しでも

粘っていれば

そう思っても

今と呼ばれる時間は

今の形で

固定されている


今が嫌になって

全てを投げ出したい

何度も思っても

言葉にできない存在が

その腕の一振り

泣き出したい衝動を

そっと押し留める


だから

ここにいる

どうしようもないここで

どうしようもない今を

生きている

それが運命

もしくは必然

そうでなければ

罰なんだろう

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