頭の中にある悪意

どうしても

過去の一場面を

繰り返し思い出し

様々な変化を

検討してしまう


そうしたところで

全ては過ぎ去ったこと

今からは

変えようもないことだ


しかし次は

次こそは

もっとうまくやろう

あの時の失敗を

二度と繰り返さないようにしよう

そんな思いで

しかし結局は

自分の愚かさと

その瞬間に思考に焼きついた

底なしの悪意の痕跡に

気が滅入るだけだ


気持ちのいいことだけしかない

そんなことはないはずなのに

どうしても

あの悪意の記憶

悪意の感触が

消えようとしないし

忘れられない


そんな悪意に

対抗しようとする僕も

僕自身

そして僕の思考が

悪意そのものになっている

底のない

タールの沼のようなものか

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