砂漠

何を言っても

砂の中に沈むように

手応えがない

何を伝えても

砂に書いた文字のように

少しの時間が経てば

何かにならされて

消えている


何か助けたいと

何か支えたいと思っても

全てが砂という足場のせいで

よろめいて

倒れこみ

ただこちらが

砂にまみれて

無様なだけ


返ってこない反応

聞き入れられない言葉

もう期待なんてなくなって

いないものとして

扱うしかない


それを人は非情と呼ぶだろうか

無責任

人でなし

そう呼ぶだろうか


しかし周囲の人間は

何を知っている?

どれだけの無為と

どれだけの裏切りが

積み重なってここまで来たか

知っているか?


砂漠を長いこと

歩いてきた

もう何も期待していない

水を撒いても消えるだけ

種を蒔いても消えるだけ

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る