未練という生き方

どうして

生きなくちゃいけないのか

それがずっとわからなかった


だから

何かを設定して

それまでは生きる

それまでは死なない

そう考えて

生きてきた


思ったような結果なんて

出たことがない

でも

まだ何かあるかもしれない

次は何か変わるかもしれない

そういう未練が

僕の命を

細く細く

頼りなく

ここまで繋いできた


まだこれから

まだ何か

まだ

まだ

そうやって先送りにしてきた

諦めは

ずっと消えることがない

ピタリと張り付いている

死というもの


ただ少しだけ先を見て

絶望しかない遠い先から目を逸らして

その上で

希望と願望だけを頼りにして

必死に

未練にしがみついて

生きている


今にも失われそうな

儚い

存在理由

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