金魚

ゆらり

ゆらりと

長い赤い尾が

水中で揺れる


真上から見下ろす僕は

いったいどんな風に見えるだろう?

怖いだろうな

そんな想像をするけど

ゆったりと泳ぐ姿に

恐怖のようなものは

微塵もない

ただゆっくりと

緩慢に移動するだけ


手を水の中に沈めると

逃げ出して

簡単には捕まらない

悪ふざけでも

そんなのはこちらの都合


小さな世界で

また静寂がやってきて

音もなく泳ぐその姿

余裕のあるその姿には

優雅さと

超然とした

心の平穏が感じられた

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