耳を失う

激しい音が体を包む時

確かな安堵と

その向こうにある悪意を

理解する


もし耳を潰せば

何も聞かなくて済むようになる

でも次は?


目の前で展開される

人間の様子に

おそらく目を潰したくなるだろう


全くの無音

全くの暗闇

それでも体はそこに存在する


体の表面

肌を流れる大気の流れが

もし悪意を孕むとしたら

何を捨てれば良い?

肌を全て切り裂いて

剥がしたとしても

きっと救われやしないだろう

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る