悪意を晒す自分と

悪意を晒す他人に

どうしても違いを見つけたくて

僕は高い壁を作り上げ

その内側で

そっと息を潜ませた


見たくないこと

聞きたくないことは

見たいもの

聞きたいものと一緒に

僕の世界からは消え去った


作り物の静かな世界にいても

激しく壁を叩く人がいる

大声で呼びかける人がいる

構わないでくれ


壁の外が本当に静かになれば

僕もそこへ戻れるかもしれない

それでもきっと

世界は悪意にまみれたまま

僕が消え去ることになる時でも

濁った空気に沈んでいるだろう


壁の中は静かだ

それでも僕は

しっかりと自分の殻の中に入り

身を守り続ける


僕の悪意は僕が飼いならす

それで良いじゃないか

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