仲間

仲間内だけの隠語が横行して

集団は分裂した

お互いに探り合い

冷たい視線と

嘲笑いの応酬


価値観の共有と

善悪の共有と

敵の共有が

果てしない悪意を生み出して

それがそのまま

集団を蝕み

誰が味方か

誰が正義か

何も分からなくなった


仲間と呼べる相手も

敵なのか

こちらに悪意を向けるのか

信用できるのは誰なのか

底の方を流れる不信

密かに忍び寄ってくる疑念


信じることの難しさに

全てを投げ出し

一人だけで

仲間の輪から駆け出し

一人だけで

走って

逃げた

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