虹がかかる夢
遠くで虹がかかっている
まるで触れられそうなほど
はっきりとしたその色に
なぜか夢じゃないかと疑問が浮かぶ
それくらい鮮やかな
その輪郭
夢の中で見た虹が
どうしても目の前から消えない
こんなことなら
夢なんか見たくなかった
目の前の本物の虹を
私はしっかりと目に焼き付けて
心の震えを確かめるように
瞼を閉じて
強く口元を引き締めた
虹はいつの間に消えたのか
私は空を見上げるたびに
見えない虹の影に
じっと目を凝らして
浮かび上がる偽物の輪郭に
落胆する
夢の中にだけ
確かな虚像がある気がした
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