第3話 ミニチュアピンシャーのノイモーント3。

わたしはノイモーント。

ミニチュアピンシャーの子犬 ♀ だ。

今日は太っちょ猫ご主人様と一緒に昼寝をし、起きた。部屋の中を散歩中に椅子から落ちて泣いていたらご主人様が慌てて飛んできた。

「どこか痛いところは? 骨折は?」

身体中を触られる。左後ろ脚が少し痛いけど大丈夫だ。

「ノイ。ノイモーント。平気かなぁ? 痛いか? どっか痛いか?」

ご主人様が涙ぐむ。

ノイはご主人様の手をペロペロ舐めた。

もう大丈夫。

痛くないよ、と。


その後、太っちょ猫ご主人様が柵を組み立ててくれた。

トイレコーナーと水飲み場と犬小屋がある。

いい。とてもいい。


そして「獣臭いな」と言って、太っちょ猫ご主人様はノイを洗ってくれた。

温水シャワーは気持ち良くて、その下に頭を入れて浴びた。

足元にはお湯が溜まってる。ここは洗面台というそうだ。

気持ちいい。

洗い終わると白いプラスチックカゴに入れられ、上からぶおーーーっと温風が吹いてきた。

「ドライヤーは大丈夫かな」

大丈夫じゃないけど、逃げ場がありません。

ドライヤーが終わり、柵に戻ったノイは犬小屋に即入り、残った水気を飛ばした。

太っちょ猫ご主人様が犬小屋にタオルを入れてくれた。

温かい。

ノイは眠くなった。


お母さん。

ノイモーントは今日、太っちょ猫ご主人様の手によってお風呂に入りました。

お母さん達の臭いが……消えてしまいそうです。

いつかお母さんにまた会える日がくるのでしょうか。

大好きです、お母さん。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る