第2話 ミニチュアピンシャーのノイモーント2。

わたしはミニチュアピンシャーのノイモーント。まだ子犬だ。

犬の朝は早い。しかしご主人様達は起きない。

太っちょ犬がいきなり起き上がると「目覚まし掛け忘れた!」と喚いた。廊下の向こうに消えて、水音がする。シャワーか。

太っちょ猫はのろのろと起き上がり、太っちょ犬のコーヒーを入れ、食パンを焼く。

太っちょ犬が食パンを鞄に入れると太っちょ猫にキスした。行ってきますのキスだな。太っちょ犬はノイにもキスをしたので、ノイは顔を舐めた。


それから太っちょ猫は体重計でノイのご飯を計ろうとするが36gなので計れないことに10分後、気付いた。

適当に計られたご飯は美味しくて、ペロリと食べ終わった。

それから太っちょ猫はシリンジと闘い、ノイの口を開けようとする。

しかしノイは太っちょ猫の唇や顔を舐めたい。何分間かの攻防で、太っちょ猫はシリンジを諦め、粉ミルクと共にご飯皿に入れる。それは不味かったのて避けてやった。

しばらく太っちょ猫は考え、今度はおかずもお湯に溶かして入れてきた。これは美味しかった。

トイレコーナーで便と尿をしたら、太っちょ猫にとても誉められた。


太っちょ猫はノイに熱があるのを心配して寝かそうとするが、ノイは部屋中を逃げ回った。

しばらくすると太っちょ猫はベッドにはいってしまった。ベッドは乗ってはいけない場所だ。ノイはジャンプしてご主人様である太っちょ猫を見た。太っちょ猫はふふふと笑ってくれるが眠そうだ。

ノイが太っちょ猫の匂いがするスリッパで遊んでいたら、取り上げられた。

それから太っちょ猫は昨日ペットショップからノイを乗せてきたリュックを改造して、温かく暗いベッドにしてくれた。


部屋は静かだ。

ノイも寝よう。

ここはノイの第三の故郷なのだろうか。


お母さん。

ノイは遠くの街に来ました。沢山人の匂いがして驚きました。

名前を付けて貰いました。

ノイモーント。ドイツ語で新月という意味です。ノイはミニチュアピンシャーのブラック・タンだから月が隠れる真っ暗な夜の新月です。

新月の日にご主人様達の家に貰われてきました。

太っちょ猫と太っちょ犬が人間に化けた、不思議なご主人様達です。

この家がノイの家になるそうです。

ノイの家になる。

お母さん達と過ごした遠い過去も楽しい想い出です。

眠くなってきました。

昼寝の時間です。

おやすみなさい。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る